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アメトーーク!「読書芸人」をとことん深堀りする

ここのところ、又吉のことばかり記事にしてます(苦笑)。今回は「火花」の芥川賞ノミネート記念という意味も込めつつ、又吉フィーチャリング的企画でもあった濃密な回を、負けず劣らずの濃密さで、たっぷり振り返ってみたいと思います。

広川 峯啓

執筆者:広川 峯啓

お笑い・バラエティ番組ガイド

新巻鮭のように捨てるトコなし

内容がない、あるいは薄いバラエティーが多い昨今ですが、6月18日オンエアの「アメトーーク!『読書芸人』」は内容が濃いというか、むしろ内容しかないというべき濃厚さでした。メインの部分はもちろんですが、枝葉のような一言一句まで、心に響くものばかりなんです。

時が経過するとともに、そんな枝葉はどうしても忘れてしまいがち。それがあまりにもったいないので、細部のすみずみまで記録にとどめて置きたいと思います。

冒頭から凝りまくり

まずはオープニングのナレーションに「書を持って町に出よ」というフレーズが。これはあの寺山修司の名作「書を捨てよ町へ出よう」のもじりですね。実際のロケでは出演者は手ぶらで、書店に入って本を物色&購入してましたが、今回の主役、又吉直樹、光浦靖子、若林正恭はまさしく、移動時に必ず本を数冊携えている皆さんです。

この3名の紹介VTRとともに流れるのが、大滝詠一の「座読書」というのもシブい。読書特集の番組もいろいろ見てきましたが、はじめてBGMで聞きました。

番組には、読書芸人トリオとMCの雨上り決死隊に加えて、女性ゲストの市川紗椰が「本のことをもっと知りたい」というふれこみで参加します。ところが番組が進むうちに、この市川さん、なかなかの読書家だと判明。同時にかなり早い段階で出演者全員が、ある問題を胸に抱いた筈。「今日はボケる人がいない!」と。

立ち位置で考えると若林がオチ担当であり、当人もその自覚充分なんですが、それだけでは不十分と考えたのか、MCの宮迫がいつになくボケまくってました。それを又吉がツッコミというか、低いテンションで訂正するのが、番組にマッチしてましたね。
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