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巨人から移籍の日ハム矢野、お立ち台で見せた涙のワケ

巨人から日本ハムへ移籍した矢野謙次外野手。移籍後の初スタメンで、いきなり猛打賞デビューを飾った矢野は、新チームでの初のお立ち台で涙を見せた。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

野球・メジャーリーグガイド

アッと言う間にヒーローとなった矢野

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お立ち台で泣いた男を久しぶりに見た。日本ハムの矢野謙次外野手(34)だ。

「今までなら打席に入っていなかったかもしれないが、打たせてもらったので……」

笑顔だが、声は震え、目には光るものが見えた。6月14日のDeNA戦だった。ここ3日間で2度目のお立ち台。つい5日前まで在籍していた巨人では、立つことがなかったであろう第3打席で逆転決勝ホームランを放ち、矢野はアッと言う間にヒーローとなった。

10日に日本ハムへのトレード移籍が発表され、11日にチームに合流。札幌での入団会見で、栗山監督から「期待している。巨人で出し尽くせなかったものを出してほしい。明日(12日)からすぐに(スタメンで)いってもらう」と声をかけられた。「プロに入ってあんな言葉をかけてもらったのは初めて」と矢野は感激した。その夜、「人生で初めて緊張して眠れなかった」という。期待に応えなければというプレッシャーと胸の高鳴りが交錯した。

国学院久我山高から国学院大を出て巨人にドラフト6位で入団したのは2003年。2006年に103試合に出場し、定位置を取りかけたが、故障や選手層の厚さから代打稼業になってしまった。しかも左投手専用。

栗山監督は「技術を持っていながらやれない苦しさがあったと思う」と評論家時代から矢野を気にかけていた。それが今回のトレードにつながったともいえる。

>>日ハム移籍後の初スタメンは猛打賞デビュー

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