テクノポップ/アーティストインタヴュー

時間や場所を忘れさせてくれるSigh Society(3ページ目)

90年代初頭、テクノ黎明期のPC-8に始まり、現在Sigh Societyとして活動するハゼモトキヨシさんに登場いただきました。InterferonとしてカヴァーしたYMO曲、ヴォルフガング・フリューア公演でのオープニング・アクト、そして渾身の新譜『Swell EP』等について語っていただきました。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

ヴォルフガング・フリューア公演でのオープニング・アクト

ガイド:
では、本題となる6月3日にリリースされたばかりの『Swell EP』について質問させてください。実を申し上げますと、5月17日にあった元クラフトワークのヴォルフガング・フリューア(Wolfgang Flür)来日公演にいました。そして、偶然にSigh Societyのオープニングアクトを見せていただいたのです! タイトル曲でありかつオープニングを飾る「Swell」を今回再度聴かせていただいて、初めて聴いたはずなのに、どこかで聴いた曲と不思議な感じがしていたのです。この名曲のフワフワするイントロは脳裏に刻み込まれます。どこか懐かしいこのメロディーは、どのように浮かんだのですか?

Swell EP (amazon.co.jp)
swellep

Swell EP


Swell EP Sampler (SoundCloud)

ハゼモト:
ありがとうございます。「Swell」のフレーズは意図的に少しだけ多めの抑揚を付けてみようと思いました。テクノを作る時には多すぎるかも知れない位の音の動きは普段カットしがちだったりするのですが、あえてそれを感じたままに弾いてみたらどうかなと。

自分はその頃の人なのでしょうがないのですが、全体的に90年代テクノの影響が強いと思います。ただ90年代はもっと音の温度が低かったと思います。それで当時やってなかった、より音を動かして感情の入った温度の高い音楽を作るのが今の自分には自然かなと思って作った曲です。

ガイド:
ステージでは、確か、クラフトワークの曲もやっておられませんでしたか?
wolfgang

ヴォルフガング・フリューア公演でのオープニング・アクト


ハゼモト
「Neon Lights」をやりました。これは元々クラフトナイツというイベント用に作ったものでしたが、いい機会なのであの日もやらせてもらいました。
kraftnights

クラフトナイツ


ガイド:
当然、クラフトワークには強い想いを持っておられるかと思いますが、いかがでしょう?

ハゼモト:
クラフトワークで最初によく聴いてたのは、高校の時に出た『Electric Cafe』ですね。今考えると逆なのですが、アーサー・ベイカー等のニューヨークのダンスミュージックに近いものを感じて好きになりました。そこから遡って聴いていった感じです。何て早い時期からこんな事をやってたんだろうと衝撃でした。
withwolfgang

ヴォルフガング・フリューアと


「Swell」はリミックス3ヴァージョン

ガイド:
話を新譜に戻します。「Swell」は、3組のリミキサー(linkabel & chigira、AE35、696SystemS)によるリミックス・ヴァージョンも収録されています。みなさん、ハゼモトさんをリスペクトしている方とのことですが、彼らとは普段から一緒に活動することも多いのですか?

ハゼモト:
696SystemSは、今回リリースしてもらったNekon Recordsをやってるタナカさんのユニットです。

AE35は、彼自身でAnti Gravity Deviceというエレクトロレーベルをやってますが、アルバムを同じNekonで出してたりします。

またlinkabel & chigiraとはSwitchoverというイベントで一緒に出演したりしてます。みんな普段から色々と仲良くさせてもらってる仲間ですね。
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