小杉陣屋町の400年の歴史を持つ原家本宅跡地 分譲と賃貸を一体整備
陣屋門と欅、社を残した「ゲートスクエア小杉陣屋町」が完成
先祖から継承してきた土地を次代にどう引き継ぐのか。特に相続評価額の高い市街地では、解決策は難しいといわれます。多くの場合、その保有地の一部を相続対策として残しておくケースが多いのではないでしょうか。今回完成した「ゲートスクエア 小杉陣屋町」は、代々受け継がれた精神の継承を街づくりに反映している点で画期的なプロジェクトかも知れません。対象地は、およそ400年の歴史を持つ原家本宅跡地です。原家は、江戸時代から中原街道沿いで代々商売をしており、穀物問屋、銀行、料亭などを営んでいたそうです。中原街道沿いの地は、昔から賑わっていたそうで、敷地には樹齢350年を超える欅(けやき)の木や五穀豊穣、商売繁盛、家内安全の御神徳のあるとされる〈ウカミタマノカミ〉を祭った社(やしろ)と陣屋門がありました。代々継承された遺産を次世代に引き継ぐため原マネージメントと三井不動産レジデンシャル、竹中工務店がパートナー関係を結び、開発計画が練られたそうです。
歴史的にも価値のある陣屋門や社、欅を残しつつ分譲棟と賃貸棟を一体で整備することが開発のアプローチの方向になりました。
陣屋門や社、欅をそのまま陣屋門プラザとして残し、賃貸棟「THE KAHALA 小杉陣屋町」(貸主 原マネージメント)と分譲棟「THE RESIDENCE 小杉陣屋町」(売主 三井不動産レジデンシャル)を一体で整備。統一したデザインにすることで、美しい街区を形成するととともに、双方にメリットのあるプランニングを可能とします。
プロジェクトの中央には、大きな中庭が広がります。敷地は、賃貸棟の一部ですが、一体で整備しプランニングしているため分譲棟と賃貸棟の距離を保ち通風や採光面で双方にメリットをもたらします。
また、中庭はそれぞれのラウンジからの開放感も演出。さらに、ガラスモニュメントのアーティスト 岡本覚氏や彫刻家 三澤憲司氏などの作品が散りばめられそれぞれに上質な空間をもたらしています。中庭に置かれた石材は、屋敷内にあった大きなもの。こうした部分にも歴史の承継を感じます。
賃貸棟は、全73邸でうち賃貸棟の管理を行う原マネージメントの事務所が1つ。専有面積は、42.52平米~93.45平米。分譲棟は、全66邸で78.46平米~93.85平米。ともに鉄筋コンクリート造5階建てで、設計・施工は竹中工務店が担当します。貸主である原マネージメントと分譲棟の売主である三井不動産レジデンシャルは、別法人ですので、ここまで統一感を持たせたデザインができたことは、プロジェクトマネジメントが上手くいった成果とも言えるでしょう。
賃貸棟は、8割以上が成約済み 分譲棟は、資料請求が1,700件超
ファミリー中心に街づくりを賃貸入居者は評価 分譲住戸に関心のある人も
賃貸棟の入居は、既に今春からスタートしており既に8割以上の住居が成約済みとなっています。中でも2LDK~3LDKタイプなどファミリー層の人気が高いようです。注目を集める街「武蔵小杉」駅へ徒歩11分。一体感ある街づくりと賃貸とは思えないラウンジや中庭などの本物志向のつくりこみに共感を受ける方も多いのでしょう。例えば、外廊下のアプローチをフライング廊下とし、竹林を設けてプライバシーに配慮する等、随所にこだわりが感じられます。社の置かれた陣屋門プラザには、ドックパークも置かれており入居者のコミュニティを育みます。分譲棟の「THE RESIDENCE 小杉陣屋町」の一般公開はこれからですが、既に資料請求は1,700件超。多くの関心を集めています。見学したモデルルームは、中庭に面した部屋で、武蔵小杉駅前のタワーマンション群とは違い、伸びやかで落ち着いた印象を受けます。
また、職人が一枚一枚焼き上げる風合いのある特注タイルや木目調のルーバーなど随所に伝統美を継承するデザインに。外構に配された灯りも紋様を統一し、夜間のライトアップでは美しいシーンを演出しています。
原マネージメントの原氏(原総本家12代目)の話では、かつて時代に合わせ様々な形で地域に貢献してきた歴史があるそうです。そうした伝統から地域に役立つプロジェクトを行いたいとの思いが大きかったようです。
分譲棟はもとより賃貸棟でここまでこだわりのある住戸は、都心・城南の高級レジデンス以外では滅多にみられないものです。ファミリー層に人気があるものわかります。開発を通じて地域に貢献するという大切な精神がここに込められているのだと感じました。