「Apple Music」は音楽が聴き放題
アップルが発表した音楽聴き放題サービス「Apple Music」は、楽曲をダウンロードするのではなく、その都度アクセスする「ストリーミング配信サービス」です。ストリーミングとは、楽曲のデータを受信しながら再生する方式で、YouTubeのようなものです。この記事では、Apple Musicのサービス開始の前に、Apple Musicの特徴を紹介します。
Apple Musicとは?
Apple Musicでは、月額9.99ドル(およそ1200円、ただし執筆している6月15日時点での正式な日本価格は不明)で、iTunes Storeにある約3000万曲全てをフルコーラスで聴けるようになります。日本での開始時期は明確になっていませんが、おそらく海外と同じ6月30日になると見られています。アップルのWebサイト(http://www.apple.com/jp/music/)より
Apple Musicを利用できるのはiPhone、iPad、iPod touch、さらにMac、Windowsです。Androidも秋から利用できる予定です。
Apple Musicのようなストリーミング配信サービスは、世界的に広がりをみせています。日本でも今年から、アメーバブログなどを運営するサイバーエージェントのサービス「AWA」や、LINEと連携する「LINE MUSIC」が始まるなど、注目されているサービスです。
(左)AWAの画面。オシャレなデザインが特徴。(右)LINE MUSICの画面。iTunes Storeに近いデザイン
ストリーミング配信サービスには何がある?
日本では、楽曲をCDで売る方式が根強くありますが、海外では「physical CD(物理的なCD、モノとしてのCD)」と区別されるようになり、市場はかなり縮小しています。また、ダウンロード販売も一定の市場を作りましたが、最近の売上は頭打ちの状態です。この状況を作り出したのが、月額定額で聴き放題になるストリーミング配信サービスと言われています。代表的なのが、スウェーデン発のサービス「Spotify」です。広告付きの無料版と、広告なしの有料版とがあり、どちらの会員でも1500万曲以上が聴き放題。世界で会員数は6000万人と言われています。
ところが、日本ではサービス開始の噂はありません。Spotifyのユーザーの4分の1が無料会員であり、レコード会社やアーティストの収入低下につながっていると指摘されているためです。
SpotifyのWebサイト(https://www.spotify.com)より
そこで登場したのが、有料版だけを用意したApple Musicです。レコード会社やアーティストへの報酬を約束することで、アーティストとの信頼関係を構築し、音楽文化そのものをサポートするという姿勢が伺えます。
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