ギリシャ/アテネのレストラン・カフェ

アテネの街を一望、空中に浮かぶレストラン

クレーンでテーブルを宙釣りにする空中レストラン、Dinner in the Sky(ディナー・イン・ザ・スカイ)がアテネで営業を開始。数年前にベルギーで始まり、数々のヨーロッパの都市で開催されています。アクロポリスやリカヴィトスの丘、パルニサ山、サロニコス湾まで一望、空に浮かぶレストランでの食事は旅の忘れ得ぬ体験となるでしょう。

有馬 めぐむ

執筆者:有馬 めぐむ

ギリシャガイド

アクロポリスやリカヴィトスの丘を一望、Dinner in the Sky

dinner 1

クレーンで吊り上げられ、空中に浮かぶディナー・イン・ザ・スカイ

2015年2月、クレーンで空中に吊り上げられる話題のレストラン、Dinner in the Sky(ディナー・イン・ザ・スカイ )がアテネでスタートしました。高さ150フィート、約50mの高さまで上昇し、アクロポリスやリカヴィトスの丘などを一望することができます。この空中レストランは数年前、ベルギーで開始され、パリやローマなどのヨーロッパの各都市やアメリカのラスヴェガスなどでも行われています。

dinner8

空中の座席から眺めるアクロポリス

レストランは1日2回の“フライト”があり、19時半からはディナー、21時半からはカクテルをいただきながら絶景を楽しみます。先日、19時半からの空中でのディナーを体験してきました。昔はガス工場だった広い跡地を利用して様々なイベントが催されるガジ地区のテクノポリスが発着地点です。

テクノポリスは新しい文化スポットとして賑わいを見せる再開発地区で、屋外でのジャズフェスティバルや各種イベント、ワークショップなどが開催されており、カフェバー、レストランなども多くあります。地下鉄「ケラミコス」駅(ライン3、青のライン)から徒歩3分ほど。クレーンを目指して歩いていくと、Dinner in the Skyと書かれたフェンスで囲まれた場所があり、そこで受付を済ませます。

受付にロッカーやトイレも完備、スマホやカメラは空中に持参OK

dinner3

テーブルはゆっくり回転しており、360度、アテネの街を見渡せる

地上の受付で荷物はロッカーに預けますが、カメラやスマホなどは持参してOKです。 受付付近にトイレもあります。空中に上がるテーブルには客席が22席、セキュリティ担当者が安全性について説明をしながら、ひとりひとりの座席に来てシートベルトを締めていきます。もし上空にあがってからトイレに行きたくなったり、気分が悪くなったりしても10秒で着地できるとのことで、安心です。

この日は私たちの他に、ヨルダンからのグループ、カナダと中国からの新婚カップルで計12人ほど。テーブルの内側の部分にはスタッフとしてセキュリティ担当者1名とシェフ2名が乗りました。

dinner2

客席は22席、テーブルの内側にはシェフらが乗る

上がり始めると揺れはほどんと感じず、あっという間に上空へ。足元はフットレストがあるのですが、床部分はないので、下に目をやると、人々や建物がとても小さく見えて最初はちょっと怖く感じました。でもそのうち友人やスタッフと話したり、ワインをいただいたりしているうちに慣れてきました。素晴らしい眺望を楽しみつつ、空中にいるという爽快感が増してきます。

ヨルダンからの女性が最初のうち、怖くて少し気分が悪いとのことで一度着地したのですが、本当に10秒ほど、あっという間に地上に降りました。再び上昇した際もエレベーターのようにすーっと静かに上がりました。上り下りは本当に滑らかです。

コース料理とギリシャワインをいただきつつ、眺望を楽しむ

dinner4

シェフが目の前で仕上げの調理や盛り付けをして料理を出してくれる

コース料理は、アボカドムースとサーモン&コリアンダーのマリネ、ヒオス島のチーズとナスのタルト、蒸しエビとズッキーニのマリネ、仔牛のフィレステーキ、デザートのフルーツ3種ムースの5皿。ギリシャ料理のテイストも少し盛り込まれていて、美味しくいただきました。シェフがテーブルの真ん中にあるキッチンで、新鮮な食材を盛り付けたり、仕上げの調理をして出されるので温かい料理は温かいまま、美味しくいただけます。飲み物はスパークリングウォーターとギリシャの有名なワイナリー、SEMELI(セメリ)の白ワイン、赤ワインをいただたきました。これらは料金に含まれています。

dinner5

メインの仔牛のフィレステーキ。ワインとともに、本格的な5皿のコース料理が出される

なにせ空中なので、ナイフやフォークを落としたりしないか、ワイングラスにも気をつけないと……などと心配していたのですが、テーブル全体がほとんど揺れないので、ナイフやフォークが滑ることもなく、ワイングラスも安定していました。風でメニューの紙やナプキンが飛ばないように注意した程度です。テーブルにスマホも置いていましたが、滑り落ちそうことはなく、普通のレストランのテーブルと同じ感覚でした。横を向いて写真を撮る際は床部分がないので、スマホを落とさないように注意しましたが、たいして地上との違いも感じずに使用できました。

テーブルは360度回転、座席は左右に動きリクライニング機能も

dinner6

空中のシートから、眼下に広がるガジ地区の風景を望む

スタッフは、レストランや料理について詳しく説明してくれたり、写真を撮ってくれたり、とても親切でした。テーブルはゆっくりと回転していて、360度、全てのアングルでアテネの街を見渡すことができます。シートは左右にも動き、リクライニング機能があります。最初、セキュリティ担当者に「シートを倒して景色を眺めるのは最高だよ」と勧められた際は、ちょっと怖かったのですが、シートを倒すとベルトがさらにきつく締まるのでしっかり固定され、怖い感じはしません。リラックスして、アクロポリスやリカヴィトスの丘、パルニサ山の稜線、眼下に広がるガジ地区の風景を満喫しました。天気が良ければ、サロニコス湾も見渡せます。

服装について、スカートは避けた方がいいです。この夜は半袖でOKでしたが、風がある日は夏でもジャケットなどをはおった方がいいかもしれません。冬はけっこう寒いと思うので、しっかりと防寒が必要です。

dinner7

美しい夕陽や赤く染まる街の風景を楽しめる

夏なので日没は21時過ぎ、デザートをいただく頃には陽もすっかり落ちてライトアップされたアクロポリスも綺麗でした。地上には数秒で着地。2時間ほどの空中体験はあっという間でした。ロッカーから荷物を出し、スタッフにお礼を言い、地下鉄のケラミコス駅に向かいます。テクノポリスは21時半頃でも多くの人々で賑わいを見せていました。普通に気をつけていれば、夜でも治安はいい場所です。ケラミコス駅は都心のシンタグマ駅まで2駅とすぐです。

21時半からのカクテルコースでは、ロマンティックな夜景を楽しめます。空中に浮かび、素晴らしい眺望を楽しめるディナー・イン・ザ・スカイ、旅の忘れ得ぬ体験になることは間違いないでしょう。


<DATA>
Dinner in the Sky(公式サイト)
住所:100 Pireos Technopolis
TEL:6945-396509 ※電話か公式サイトより要予約
開始時刻:ディナー 19:30~、金曜と土曜は21:30からのディナーも有
カクテル 日曜~木曜 21:30~ ※予約人数にもよるので電話で要確認
料金:ディナー120ユーロ、カクテル60ユーロ
アクセス:地下鉄ケラミコス駅(ライン3)より徒歩3分
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます