リコピンの抗酸化作用がコラーゲンを守る?
トマトの色素成分であるリコピンは、コラーゲンを活性酸素から守る働きがあると考えられています。
旬のトマトやスイカなどの色素成分であるリコピンは、抗酸化作用があると言われています。特に紫外線により発生する活性酸素は一重項酸素で、リコピンなどのカロテノイドが有効と考えられています。
名古屋市立大学(カゴメ株式会社との共同研究)は、リコピンにコラーゲン量を増加する効果があり、紫外線によるコラーゲン量の減少を抑制することを確認し、2008年第5回国際皮膚科学会で発表されました。
また第29回日本美容皮膚科学会(2011年9月)では、「トマトジュースを継続的に摂取することで肌状態に改善が見られ、「トマトジュースを飲んでいたヒトは8週目以降、平均およそ1本のシワが減った」という結果を報告(カゴメ株式会社)しています。
リコピンは、1日の中で朝摂ると吸収がよい?
では、リコピンは、どのように摂取すればよいのでしょうか。ラットレベルですが、リコピンは朝・昼・夜のうち、朝にトマトに食べた場合に最も効率的に体へ吸収されることが分かりました(2015年3月26~29日日本農芸化学会で発表)。データ提供/カゴメ株式会社
トマトを朝に食べさせるグループ、昼に食べさせるグループ、夜に食べさせるグループの3つに分け、1匹当たりに6gずつ通常のエサかトマトが含まれたエサを与え、4週間後にラットの血液中のリコピン濃度の変化を調べた結果、朝にトマトを含むエサを与えたラットは、昼や夜にトマトを与えたラットと比べ、トマトを含むエサを食べた3時間後の血液中のリコピン濃度が高く、リコピンの吸収率も最も高くなりました。
これらの研究結果についても、今後さらなる検証が必要ですが、旬の食べ物が、その時期の体に必要な栄養成分をもたらすという可能性を示唆しているといえるでしょう。
最近では、トマトにもリコピン濃度が高い品種もありますが、一般的なトマトの場合は、生で食べるよりも加熱したり、油脂と一緒に摂ると、リコピンの吸収がよくなりますので、トマトソースやミネストローネ、ガスパチョなどのトマト料理を食べることは理にかなっていますね。
市販のトマトのソース類やトマトジュースなどには、リコピンが多い加工用のトマト品種が使用されていますし、トマトは加熱・破砕すると生で食べるよりもリコピンの吸収率が高まるという研究結果も出ています。忙しい人は、お出かけ前のトマトジュースが紫外線対策にも役立つかもしれません。
参考/
・コラーゲンって本当に効果があるの?(健康食品の安全性・有効性情報)
・コラーゲンの研究(株式会社明治)
・「特集:食と美容」(FFIジャーナルVol.219 Number3,2014)
・天然素材コラーゲンの機能性(皮革科学 Vol.56,No.2, pp71~79(2010))
・ラット皮膚創傷回復に対するゼラチン酵素水解物摂取の効能(宇都宮大学)
・カゴメ株式会社