わが身を襲った変調を自覚し、時に諦め、時に開き直りながら、それでもEDと向き合い、克服しようとする男性の気持ちを、女性が推し測るのはなかなか難しいものです。
EDになったパートナーには、どう接すればよいのでしょうか。
今回は、性的交渉をもつすべてのカップルにとって直面する可能性がゼロではないEDへの対処法を、主に女性の視点から考えてみましょう。
たいていの男性は認めたがらないED
「あれ?」「おや?」「どうした?」。気持ちはふだんとまったく変わりないのに、意に反してうまく勃起しないとき、多くの男性は思わず股間に問いかけます。セックスの最中であればなおさらです。もうそろそろという段階なのに、まったくその兆しが表れない。あるいはそれまでの勃起が続かず、中折れを余儀なくされる……。
そんなとき、男性の頭をよぎるのは「ED」の二文字です。ひどく疲れていたり、ストレスが重なっていたりするなどの心当たりがあれば「うまくいかないこともあるさ」と自らに言い聞かせることもできます。たいていの男性はEDを認めたがらないからです。
しかし、それが毎回続くとなると、いよいよ覚悟しなければなりません。度重なる失敗は勃起をますます遠のかせます。原因として疑われる病気も特になく、それまで問題なく起きていた勃起がうまくいかない場合、そのほとんどは心理的な理由によるもの(心因性ED)です。
心理的な理由によるEDであれば、その原因を取り除くことで回復することもあります。ですから、EDに陥ったパートナーを頭ごなしに責めたり、逆に自分が落ち込んだりするのは得策ではありません。このことは女性に理解しておいて欲しい点の一つです。
心因性EDに関連する「二人の関係」
排卵日近くのセックスがパートナーにプレッシャーを与えることも
さまざまなストレスの原因が女性にあることに女性自身が気づかない、というケースも実は珍しくありません。例えば、子づくりの気持ちが高じるあまり、女性が排卵日だけにセックスを求めるようになった結果、排卵日近くになるとプレッシャーで勃起できなくなってしまった男性もいます。
「忙しいから」「疲れているから」「その気にならないから」などと女性に拒絶されることで、気持ちが萎える男性もいます。夫婦のいざこざや子育ての悩み、嫁姑問題など家庭内のトラブルが引き金になる場合もあります。
例に挙げたように、いずれの場合も女性の言動が多かれ少なかれ関わっています。つまり、EDになるのも、それを治すのも、二人の関係がとても重要であるということです。
男性の背中を押すのも女性の大切な役目
心を決めかねている男性にとって、女性の一言は心強く響くもの
EDであることを認めたくないものの、簡単に治せるならばそうしたいと思うのも男性の本音でしょう。現代では、ジェネリック商品などのED治療薬を服用することがED治療の第一選択とされています。
病医院やクリニックなどで処方されるED治療薬は、心臓病で硝酸系の薬を服用しているなどの特別な事情がない限り、誰でも安心して使えます。もちろん、ED治療薬を処方してもらうためにはそれらの医療機関を受診しなければなりません。
しかし、頭ではわかっていても、気恥ずかしくてなかなか病院に行きたがらない男性が多いのも事実です。そんな時、背中を押してあげるのも女性の大切な役目かもしれません。
パートナーの多くが治療薬の効果を評価
EDの男性(34~76歳、平均52歳)と、そのパートナーの女性(20~70歳、平均46.4歳)を対象に、ED治療薬による治療に対する評価を調べたところ、「治療に対する満足度」では
【EDの男性】
・非常に満足=45.8%
・やや満足=54.2%
【パートナーの女性】
・非常に満足=29.2%
・やや満足=51.2%
・どちらでもない=8.3%
・やや不満=8.3%
という結果が出ました。
「この治療の継続希望」では
【EDの男性】
・継続希望=100%
【パートナーの女性】
・継続希望=70.8%
・どちらでもない=25.0%
・中止希望=4.2%(1例)
でした。
この結果から、男性は治療、継続共に満足し、女性は治療に対して約8割、継続に対して約7割が評価していることが分かります。
女性がEDに理解を示し、一緒に治す気持ちで優しく接すれば、回復を早める可能性が高まるはずです。
>>男性のEDに、女性はどう向き合うべきか