間接光で目に優しいアンビエント照明を
照明用語にアンビエント照明といった言葉があります。これはおもに天井や壁などを照らして空間全体を明るくする照明のことを言います。一般にタスク・アンビエント照明と言って、視作業面の「タスク照明」と、部屋の全体照明にあたる「アンビエント(環境)照明」の併用が目に優しい照明として知られています。アメリカでは昔からオフィスの事務室でこの照明手法を取り入れているところがあり、特に長時間に渡って目を酷使する仕事で効果的とされていました。しかし、単に併用照明であればよいということではなく、視作業空間の作業面の明るさに対してその周辺照度は1/3、さらに部屋全般が1/10ほどの明るさを理想とする黄金比のような照度比が良いとされています。
今日では作業面がパソコンの発光しているディスプレーが多いため、暗い部屋でこの作業は明暗コントラストが強すぎ、目にさらなる疲労を与える原因になっています。ましては作業に集中していると休み時間を忘れて、長時間連続して目に負担を与えることがあります。
特に子供の勉強部屋の照明は親がしっかり見ていないといけません。近年、近視の低年齢化が進んでいます。その背景には、パソコンを使用した勉強やスマートフォンの普及が大きな原因になっていると思われます。
ディスプレー面は明るさ調整によって変わりますが、昼の室内でもある程度明るく見える輝度は50~100cd/平方メートル(カンデラ毎平方メートル)くらいです。
この明るさを照度に換算すると、例えば白い紙の印刷物で約350~700ルクスほどの明るさになります。
勉強部屋や書斎のデスク照明はパソコンを使用した視作業でもキーボードや原稿面などを明るくする局部照明が必要で、ある程度明るさのとれるスタンド器具が選ばれます。
写真1. 通常見受けられるパソコンデスクでスタンド器具だけの照明
スタンドの照明だけでは明暗コントラストが強くなってしまうため、アンビエント照明として、空間の変化が楽しめて、目や精神に優しい光として、間接照明をお勧めします。
次のページでは「工事不要の間接照明用器具」についてご紹介します。