都市部では道路や隣地との境界ぎりぎりまで家が建てられることも多く、境界線の真上付近に造られた窓もときどき見かけます。ときには「どうしてこんな位置に」と感じられるような窓もあるでしょう。
建築基準法による採光基準を満たすために一定の窓を設けなければならないのですが、とくに建売住宅では敷地の状況に合わせた工夫がされず、他の現場の設計をそのまま持ってきただけのような場合もあります。バス停に面し、バスを待つ人々の頭がぶつかりそうなくらいの位置に造られた窓もあるのです。
人通りが少ない裏通り、または限られた人しか通らない私道に面した窓ならまだ良いとしても、不特定多数の人が行き交う道路に面し、窓のすぐ前を他人が歩くような場合には、24時間365日ずっと雨戸を閉め切ったままにしてしまうことも少なくありません。
さらに、窓へ密着するように後から塀を立て、ほとんど窓を塞いで(隠して)しまったような家を見かけることもあります。
窓シャッターや雨戸を閉め切ったまま、あるいは塀などで窓を塞いでしまった状態では日が差し込むことも風通しもなく、窓としての機能をまったく果たさないことになります。しかし、新築未完成物件の場合にはなかなかその状況を掴みづらいでしょう。
現物で状況を確認できないときには設計図書をしっかりと確認して、境界線からの距離や家の配置、窓の位置などに十分な注意を払わなければなりません。また、現地における人通りの状況などもよく確認することが大切です。
窓をほとんど閉め切ったままの生活になることを承知のうえで購入するのであれば、昼間における室内の明るさがどれくらいになるのか、換気や熱対策がどうなっているのかなど、納得できるまでよく確認しなければなりません。
また、このような家を中古住宅として購入するときには、窓がずっと閉め切られていたことを想定して、窓枠の周囲に結露の跡やシミ、カビなどがないか十分なチェックをするようにします。換気が不十分なために、シロアリや害虫などが発生しているケースも考えられます。
「開かずの窓」の回りが家具や荷物で塞がれていることもありますから、これらを少し移動して状態を確認することも欠かせません。気になる場合には、第三者による建物検査も検討するようにしましょう。
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