6月8日(日本時間)のトニー賞授賞式
渡辺謙が主演男優賞にノミネート!
日本時間の6月8日にニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールで開催される『第69回 トニー賞授賞式』。映画のアカデミー賞、音楽のグラミー賞、テレビ番組のエミー賞と並び、アメリカ演劇界で最も権威と影響力がある賞……それがトニー賞です。演劇やミュージカルにあまり興味がない方にとっては”トニー賞”と聞いてもいまひとつピンと来ないかもしれませんが、今回のTonyはちょっと違います!というのも、今年は主演男優賞に『王様と私』で主役のKingを演じている渡辺謙さんがノミネート!これは日本人としてはほぼ初の快挙で、日本の演劇界のみならず、エンタメ界全体が熱い視線を注いでいるんです。
ということで、今回はトニー賞についてのご紹介と、69回目となる今年の授賞式について、演劇ガイドがマニア向けになり過ぎないよう解説したいと思います。これを読めばあなたもプチ演劇通!?
トニー賞のプチ知識
アメリカ演劇界で最も権威と影響力がある賞!
トニー賞=アメリカ演劇界で最も権威ある賞………そしてその授賞式はアメリカ演劇界最大のお祭り。当日はノミネーション作品のパフォーマンスや豪華なゲストトークなどきらめく世界が展開していきます。トニー賞が初めて設けられたのは1947年。途中1949年からミュージカル部門と演劇(ストレートプレイ)部門に分かれてそれぞれの賞が設定されました。作品賞にノミネートされるにはブロードウェイで1年以内に上演された舞台であることが条件で、「演劇作品賞」「ミュージカル作品賞」「演劇リバイバル作品賞」「ミュージカル・リバイバル作品賞」という4つの作品賞を含めた27部門の賞と複数の特別賞が関係者に授与されます。
今回渡辺謙さんがノミネートされているのは「ミュージカル主演男優賞」。ミュージカル主演男優賞に名前が挙げられているのは合計5人で、この中から当日、(最優秀)主演男優賞が発表される訳です。ちなみに謙さん主演作の「王様と私」は「ミュージカル・リバイバル作品賞」をはじめ、合計9部門でのノミネーション。「ミュージカル・リバイバル作品賞」は3作品での争いになります。
映画のアカデミー賞と演劇(+ミュージカル)のトニー賞との大きな違いの1つが、リバイバル作品賞があるかないかという事。映画に比べて過去の上演作品をブラッシュアップし、再び舞台に上げる機会が多い演劇(+ミュージカル)ならではのカテゴリーなのです。
過去のトニー賞・「ミュージカル作品賞」には誰もが聞いた事のある作品名がガッチリ並んでいます。『マイ・フェア・レディ』(1957年)、『サウンド・オブ・ミュージック』(1960年)、『屋根の上のヴァイオリン弾き』(1965年)、『ラ・マンチャの男』(1966年)、『キャバレー』(1967年)、『コーラスライン』(1976年)、『アニー』(1977年)、『キャッツ』(1983年)、『レ・ミゼラブル』(1987年)、『オペラ座の怪人』(1988年)、『レント』(1996年)、『ライオンキング』(1998年)、『ビリー・エリオット・ザ・ミュージカル』(2009年)etcetc……。
今年はどの舞台が各作品賞をゲットするのか、そして渡辺謙さんは日本人として初めてトニー賞の(最優秀)主演男優賞を獲得できるのか……当日の授賞式の行方はいかに?
次のページでは第69回トニー賞授賞式の見どころをご紹介!