アドバイス1 保険は掛け捨てタイプで家計負担を減らしたい
まず、保険についてですが、掛け捨てタイプがいいか、それとも貯蓄性のあるものがいいかの判断は、加入する目的や年齢、家族構成などで異なってきます。お子さんがまだ小さく、大きな死亡保障が必要であれば、掛け捨てタイプが効率的。対して、教育資金、老後資金づくりが主な目的であれば、学資保険や個人年金保険のように貯蓄性のあるものを選ぶことになります。花さんの場合、まずは目的を明確にしてから、保険加入を考えてみてください。
死亡保障であれば、とりあえずお子さんが生まれてからの検討でもいいと思います。適正な死亡保障を終身保険で確保すれば、保険料が割高ですから、家計負担が大きくなります。高額の死亡保障が必要な間は、定期保険(掛け捨てタイプ)を選択するといいでしょう。一般に必要な死亡保障額は子どもの成長とともに減少していくものなので、段階的に保障額が減っていく収入保障保険が割安でおススメです。
医療保障も、やはり掛け捨てタイプがいいと思います。保険期間は終身、入院給付はとりあえず日額5000円でいいのでは。加入しないで貯蓄でカバーする考え方もあります。保険料負担を考慮しながら、検討してみてください。現状の家計を考えれば、保険料負担をなるべく減らして貯蓄ペースを上げたいところ。加入するにしても、相見積もりをとって比較することも忘れないでください。
アドバイス2 夫が手にする遺族厚生年金は少ない
相談にあります「女性が家計の大黒柱になる場合の注意点」ですが、主に2つ考えられます。それは、出産と年金です。花さんは結婚後、ご主人が主に家事、育児を担当するとのことですが、出産だけは女性にしかできません。出産の前後は当然、女性に負担がかかります。そこで「自分は家計の大黒柱」だからと無理をするのは禁物。十分に出産に備え、また身体をケアをして、ご主人を大いに頼ってくださいね。夫も育児休暇が取れます。出産前後はご主人にフル稼働してもらいましょう。
年金については、老齢年金より遺族年金に注意が必要です。
遺族年金のうち、遺族基礎年金は以前、父子家庭、つまり妻が亡くなった場合に夫には支給されませんでした。しかし、平成26年4月からは子どもがいれば、その子どもが18歳の年度末まで受け取ることができます。
一方、遺族厚生年金は、子どもが受け取るか(18歳の年度末まで)、妻の死亡時に夫が55歳以上であれば、原則60歳以降に受け取れます。対して、妻はそういった年齢制限はありません(※)。
つまり、年金が受け取れる額が遺族厚生年金に関しては妻より夫が少ないことになります。したがって、妻が家計を支えるのなら、自分の死亡保障は多少を多めに掛けることも検討した方がいいかもしれません。
アドバイス3 貯蓄ペースと貯蓄額が合わない理由を明確に
最後に、家計について。まず、毎月の貯蓄ペースが5万円ですから、現在の貯蓄額100万円は2年弱で貯まる金額です。となると、これまでに取り崩しているか、貯蓄できない時期があったということ。その原因が何なのか(何に使ったか)は、確認しておく必要があります。それがわからないと、また同じことを繰り返し、結果、貯蓄がなかなか増えないことになるからです。普段の家計支出はよく抑えているだけに、そこが気になります。
あと、奨学金は借りているのが利子付きであれば、思い切って全額返済してはいかがでしょうか。正社員になられてボーナスも支給されるとのことですから、今後の夏のボーナスに貯蓄分を少し足せば、全額返済が可能でしょう。
(※)遺族基礎年金、遺族厚生年金とも、支給に対して年収850万円未満の収入制限あり
教えてくれたのは……
八ツ井慶子さん
取材・文/清水京武 イラスト/モリナガ・ヨウ
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