帰国後に開業を予定。しかし、その資金が貯まりません……

なかなか貯まらない貯金の悩み

なかなか貯まらない貯金の悩み

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、開業資金に悩むロンドン在住の30歳の女性。ファイナンシャル・プランナーの八ツ井慶子さんが担当します。
※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料になります)

■相談者
ayanoさん(女性/会社員/30歳)
ロンドン/賃貸住宅

■家族構成
一人暮らし

■相談内容
ロンドンの現地採用の会社で働いています。3年後くらいには帰国して自分のお店(本屋とイタリア語教室)を開きたいと思います。そのため、習い事(イタリア語)、旅行(イタリア)、本には「自己投資」と言い訳をして、お金を使ってしまいます。そろそろ、お店の開業資金も貯めたいのですが、貯めては使い、貯めては使いの生活です。こちらに来る以前の会社員時代は、留学費用の200万円を貯めましたが、20代のころのように、がむしゃらに節約することができなくなってしまいました。

■家計収支データ
ayanoさんの家計収支データ

ayanoさんの家計収支データ



■家計収支データ補足
(1)帰国後の開業について
その中身(開業資金、売上げ、仕入れ資金等)については具体的には考えてないそうですが、おおよそ300万円くらいの開店資金が必要ではないかと考えている。

(2)現在の仕事について
現在は英国の帰国子女向けの講師として塾に勤務。授業の他、事務的な仕事(生徒の授業アレンジや勧誘、教室全体の仕事など)も行っている。

■FP八ツ井慶子からの3つのアドバイス
アドバイス1 「なぜ本気で節約できないのか」がポイント
アドバイス2 貯めても使ってしまう、その原因を考えよう
アドバイス3 開業のためのリサーチをしておく
 

アドバイス1 「なぜ本気で節約できないのか」がポイント

ご相談を読んで気になる点がいくつかあります。まず「自己投資と言い訳をして」と書かれていること。深い意味で書いたのではないかもしれません。しかし、もし本当に「言い訳」と思われているとしたら、今現在、自分がしていることに迷いや不安があるのでないでしょうか。

目的のために頑張っているなら、自分のしていることに対して「これも大切だ」という強い思い入れや信念みたいなものがあってもいいと思います(それが見当違いで失敗するケースもあるのですが……)。

もうひとつは「20代のころのように、がむしゃらに節約できなくなってしまった」という部分です。留学をしたくて200万円を貯めたころの思いが薄れているとすれば、それは最終的な目的が開業ではなく、ロンドン留学そのものになっている、あるいは現状で満足しているということでしょうか。本気で目的のために節約していたあの気持ちに、なぜなれないのか。振り返って考えてみることが、まずはayanoさんにとって大事なことだと思います。
 

アドバイス2 貯めても使ってしまう、その原因を考えよう

日本で開業するのであれば、家計自体を貯蓄シフトに切り替える必要があります。現在、貯蓄が毎月6万円。しかし、その貯蓄ペースよりもまず、「貯めては使い、貯めては使いの生活」という部分が問題です。現在の貯蓄額は30万円。実質、5カ月分しか貯まっていません。貯蓄をおろしてまで使っている内容を把握し、それに歯止めをかけなくては、ずっと同じことの繰り返しとなります。

仮に今後、貯蓄には手をつけず毎月6万円貯蓄できたとします。それでも目標の300万円貯めるには4年が必要です。3年後の帰国では独立開業資金には届きません。そうなれば、対処法としては(1)計画を延期する、(2)貯蓄ペースを上げる、(3)開業プランを変更する、(4)開業そのものを断念する、のいずれかです。

どれが現実的で、今の自分はどうしたいのか。自分自身と向き合って、じっくりと考えてみてください。
 

アドバイス3 開業のためのリサーチをしておく

いずれにせよ開業の場合は、その資金の「300万円」も精査する必要がありそうです。立地はかなり重要ですし、それによって発生する家賃は大きく変わります。また、仕入れ資金や人件費など、当面の運転資金も合わせてその金額で足りるのか。どの程度売り上げを考えているのか。さらには、その数字は継続可能で現実的な額なのか……。

そういった部分は、やはり日本でのマーケティングが大事になるはず。そのために帰国することはなかなか難しいでしょうから、ネットを駆使して、または日本のお友達に頼んで、そのあたりのリサーチは絶えずしておくべきでしょう。

今回はあまりお金の部分には触れられませんでしたが、ayanoさんの場合、それよりも先に気持ちの部分での整理や再考が必要だと感じました。かつてがむしゃらに貯めた実績があります。年齢も関係ありません。その気になれば、きっとまた貯められるはずです。ぜひ頑張ってください。

教えてくれたのは……
八ツ井慶子さん
 
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ファイナンシャル・プランナー。大学卒業後大手信用金庫に入庫。本当にお客様にとっていいものを勧められる立場になりたいとの思いから、個人相談が中心のファイナンシャル・プランナーとして独立。近著に『ムダづかい女子が幸せになる38のルール』(かんき出版)と『サラリーマン家庭は"増税破産"する! 』(角川oneテーマ21)がある。テレビ、新聞、雑誌などでも活躍中。All Aboutマネーのガイドを務める


取材・文/清水京武 イラスト/モリナガ・ヨウ

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