東京都の副都心として、約29haに及ぶ東五反田地区の開発が進行
集大成として約3.6haの街づくり「パークシティ大崎」が誕生
2000年以降、都心エリアの街づくりが進む中、大きく変貌した街の一つがJR山手線「大崎」駅です。目黒川の水運に恵まれ、モノづくり産業が発展し、京浜工業地帯の中核として、多くの製造業が集積した街。1987年に大崎ニューシティが完成。その後、約29haに及ぶ東五反田地区に「東五反田地区街づくり推進協議会」が設立。アーバンデザインガイドライン、景観形成ガイドラインが策定され、オーバルコート大崎(平成13年)やアートヴィレッジ大崎(平成19年)、東京サザンガーデン(平成22年)とオープンし、2000年との比較で乗客数が約2.5倍に。大きく街が発展しました。「パークシティ大崎」は、1997年に準備組合が設立。2007年に都市計画決定され2009年に組合が設立。東五反田地区最大規模となる約3.6haの市街地再開発として工事が進みました。
全7棟の建物で構成される街づくりの特徴として挙げられるのが道路を拡幅し、街路樹や広場の植樹など豊富な緑を採り入れ潤いある住環境に繋げている点です。拡幅された道路には、広い歩道と自転車レーンも設けられ、両側には街路樹を植樹。交差点など街の随所に発展を祈ってヨーロッパから取り寄せたオリーブの大木を植樹。中には、推定樹齢600年のものもあります。
両側に並ぶ木立は、街路を包むように伸び、清々しさを感じます。モミジやシダレザクラ、イトスギなど場所によって植栽を変えることで、四季を感じながら生活できます。
こうした、植栽は建物の中にも採り入れられ、「大崎ブライトプラザ」の屋上広場や「パークシティ大崎 ザ タワー」の広場にも豊富に施されています。
住宅棟である「パークシティ大崎 ザ タワー」の広場の植栽には、レモンなど食べられる実のなる植物を配置。遊歩道を歩くと、柑橘系の匂いがふっと感じました。
7棟の建物は、アースカラーの色調で統一され美しいデザインに。景観ガイドラインに沿った街づくりが行われるため、建物の低層部の色調が揃えられ沿道としての魅力も高めています。
商業店舗や事務所、産業支援交流施設、子育て支援施設、地域コミュニティ施設、工場など多彩な街の機能が揃うのも再開発の特徴です。
中でも、高層タワーオフィス「大崎ブライトコア」3F・4Fに設けた品川産業支援交流施設「SHIP」は、世界で活躍する企業の育成を目指した新たな産業・ビジネスの拠点で、異分野の起業が交流可能な「オープンラウンジ」やベンチャー企業の支援を行う「オフィス」スペース、3Dプリンタ等のある「工房」、約460人規模のセミナーや展示会等が開催できる「大崎ブライトコアホール」で構成されます。
見学した、「SHIP」内のオープンラウンジは、独創的なデザインでWiFiも完備。日本の高度成長を担った場所から新たな成長企業の誕生をサポートします。
モノづくりを担う大田区と情報産業の集積する港区との間に位置する品川区。そうした企業の結節点としての役割もこの地域の特徴のようです。
次のページでは、地上40階の超高層レジデンス「パークシティ大崎 ザ タワー」を紹介します。