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明日の元気につながる“睡眠力”の磨き方

人は睡眠なしでは、生きていくことができません。睡眠の質が悪いと、翌日の活動力が低下してしまいます。今回は、睡眠力の磨き方をご紹介します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

睡眠のメカニズム

睡眠リズム

睡眠のリズムです。90分単位で眠れるといいのですが…

脳と体の休息である睡眠は、浅い眠りであるレム睡眠と深い眠りであるノンレム睡眠に分けられます。

レム睡眠は「REM(Rapid Eye Movement)と書き、目が動くことからレム睡眠と呼ばれています。身体は深く眠っているのに、脳が起きているような状態です。体の力が抜けていて、呼吸数・心拍数は不規則で、夢を見ています。また、この時に起きると目覚めがよいとされています。一方、ノンレム睡眠は深い眠りで、脳が眠っている状態です。呼吸数・心拍数は低下し、夢を見ません。

レム睡眠 → ノンレム睡眠 → レム睡眠というサイクルは、約90分で切り替わると言われ、この繰り返しで眠っていきます。つまり、90分周期であれば寝覚めが良いわけです。

良い睡眠のためには、単に睡眠時間の長さだけではなく、この周期と睡眠の質に注意する必要があります。入眠する力、深く睡眠する力、すばやく起きる力を合わせて、睡眠力と言えます。

過重労働の状況で、平均睡眠時間が5時間以下では、脳・心臓の病気を発症する危険性が高くなります。4時間睡眠を1週間続けるとホルモンの異常や血糖の上昇がみられ、4~6時間睡眠を2週間続けると記憶力、認知能力、問題処理能力などがかなり低下します。

では、明日の元気につながる“睡眠力”の磨き方を、具体的にみていきましょう。

一番のポイントは「寝付きの悪さを解消する」こと

普段から、なかなか寝付きにくいと感じることはありませんか?睡眠力を磨くには、これを解消することが一番のポイントと言えます。

■寝る前のリラックス
寝る4時間前には、刺激物やカフェインを含むコーヒー、紅茶、ココア、緑茶、チョコレートなどを避けます。タバコは全く止めた方がいいのですが、タバコは寝る1時間前から吸わないようにします。

寝る前には軽い読書をし、リラックスできる音楽、単調な音楽をかけ、入浴はぬるめのお湯にします。照明もやや暗めにします。食事もできれば寝る3時間前に済ましておいた方がよいでしょう。

気に入ったアロマを使ってもいいかもしれません。ラベンダーにはリラックス効果があると言われていますが、個人差があるので注意してください。

寝室にはあまり物を置かずにシンプルにして、入眠しやすい環境にし、室温や湿度も、夏なら冷房、冬なら暖房を使って、適度な温度にしましょう。

寝る前にはスマホや電子書籍は控えましょう。

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■眠たくなってから床につくようにする
眠たくなると言うことは、体が睡眠を欲しているわけですから、そこを我慢するといざ眠る時に寝られなくなります。さらに、だらだら床についていると、眠ろうと思えば思うだけ寝られなくなり、寝つきが悪くなります。

■規則正しい生活

普段の睡眠時間を決めておくと、体のリズムによって、その時間になると入眠できるようになります。

次のページでは深く眠り、スッキリ起きるための方法を説明します。

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