フィットの使い勝手と広い荷室の新型シャトル
今までフィットをベースとしたステーションワゴンを『フィット・シャトル』として販売していたが、フルモデルチェンジを機に単なる『シャトル』というネーミングにしてきた。もちろんクルマの内容は従来通り、フィットのラゲッジスペースを拡大したステーションワゴンモデルである。 最大の特徴が「同じクラスのライバル車より圧倒的に広大なキャビンスペースを持つ」。そもそもフィットというクルマ自体、燃料タンクを車体中央に置くなど極限までスペース効率を追求しており、一昔前の2リッター級セダンより広い室内を持つ。一家に一台のファミリーカーとして十分なほど。シャトルはフィットの使い勝手をさらに向上させており、リアシートを収納した時のラゲッジ前後方向の寸法は184cmにも達すると言うから驚く。もはや2クラス上のDセグメント(レガシィやアテンザ)に匹敵する。しかも床面が低く、フラットとなるため、収納能力だって巨大。
なのに全長4400mmと5ナンバーワクの4700mmよりはるかに短く、全高だって1545mmに収まっているため、最も小型クラスのタワーパーキングにキッチリ収まってしまう。スペース効率の高さという点で評価するなら、間違いなく現時点で世界一と言い切ってよかろう。
おすすめはほぼフル装備で169万円の1500ccエンジン搭載モデル
素晴らしいのが燃費。フィットと同じタイプの1500cc+ツインクラッチタイプのハイブリッド仕様を選べばJC08モードで34km/Lでモンク無し! フィットHVに肉薄する実用燃費が期待できる。ここにきてホンダのツインクラッチハイブリッドも信頼性を増してきたため推奨できます。
ガイドのおすすめはお手頃価格で買える普通の1500ccエンジンを搭載したモデル。自動ブレーキなどはオプション設定になるものの、ほぼフル装備で169万円。同じ装備内容のハイブリッドより30万円安い。この価格差を節約できるガソリン代で埋めようとしたら、乗り方にもよるが7~10万km走らなければならない。
今や「迷ったらハイブリッドにしておく」、という雰囲気ながら、近所の足にしか使わないという人であれば、普通のエンジンで十分かもしれません。一方、渋滞の多い街中での走行や、走行距離の長い人は30万円高くてもハイブリッドを選ぶ意義は大。自分の使い方で決めていただきたい。
やや物足りないのが、一世代前のスペックになってしまった自動ブレーキである。今やスズキなど軽自動車でも車速50km/hからの追突事故に対応し、30km/hまでなら歩行者だって認識して自動ブレーキを掛ける性能を持たせてきた。しかも5万4000円と素晴らしくリーズナブル。
一方、シャトルは車速31km/hになると自動ブレーキのスイッチが切れてしまい、30km/h以下でも追突防止できるのは20km/h以下という性能。歩行者認識せず。白ナンバーの普通車として考えれば物足りない。この点さえ問題なしとするなら、お買い得なファミリーカーだと思います。
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