テクノポップ/アーティストインタヴュー

ダンボール・バットは爽やかに壊れている(5ページ目)

AMIさん率いる“高円寺のデフ・スクール”を目指すダンボール・バットが、6月25日にニュー・アルバム『壊れたカセットはA.O.R.』をリリースします。全然、AORサウンドではないけど、AOR的に爽やかに壊れている、妄想の異質混合カオス! 懐かしネタから始まるAMIさんとの対談です。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

アルバムの話もなくなり、そのままお蔵入り

ガイド:
「仮面の昼」は10年以上前の音源をもとにしたとのことですが、『未来ブティック』(2002年)の後の音源で、お蔵入りになっていたのですか? どうして、今になって復活させたのでしょうか?

AMI:
実は、『未来ブティック』の次のアルバムに収録するつもりで作ったデモ音源なんです。ところが『未来ブティック』のセールス不振であっけなくP-VINEをクビになり(笑)、アルバムの話もなくなり、そのままお蔵入りになっていました。個人的にはお気に入りの曲で、いつかは再録音してアルバムに収録しようと考えているうちに10年経ってしまいました(笑)。本当はデモ音源なのですが、音の質感を含めこのヴァージョンが気に入っていたので、今回、少しだけ手を加えそのまま収録するに至ったのです。
danballbatlive

ダンボール・バットLIVE


ボクも毎日聴くのは無理

ガイド:
確か、アルバムにはインストを入れるインスト派ですよね。そんな期待を裏切らないインスト曲「大天使」は、「フィル・スペクターproduceによるレジデンツ」的と、これまた狂気の共演。レジデンツが好きすぎて、家族に嫌われたと言っていた知り合いがいるんですが、毎日聴きたくないという気持ちは分かります。AMIさんは、レジデンツを毎日聴ける派ですか?

AMI:
今回、インストの候補曲が4曲ほどあったのですが、悩んだ末に1曲に絞りました。レジデンツですか?いやぁ、湯浅(学)さんなら毎日でも聴けるかもしれませんが(笑)、ボクも無理ですね。

オレのテクノポップ

ガイド:
「イージーリスニング、ハードリスニング」は、いきなり、「ムーンライダーズでございます」とかますYouTubeで動画が公開されていますね。しかも、「オレのテクノポップ気安く聴くなよ」って歌うAMIさんが好きです。やっぱり、「オレのテクノポップ」なんですね?

イージーリスニング、ハードリスニング (YouTube)

AMI:
そうですね、オレのテクノポップですね(笑)。テクノじゃなくってテクノポップです。いわゆるテクノの「4つ打ち」ってのがダメなんです、生理的に(笑)。自分が影響を受けたのは、グラムロックだったり、プログレだったり、昭和歌謡だったり、まあいろいろあるんですけど、でも、結局のところ自分の一番のルーツはテクノポップなんだと思います。YMOに始まり、デペッシュモードやOMD、ウルトラヴォックス、ソフトセル等々のイギリス勢、etc。それらのアーチストたちからの影響は自分の中で完全に血肉化されてしまっていると思います。自分の曲作りにおけるコード進行やメロディの組み立て方や、ドラムパターンのアレンジ等々にもテクノポップからの影響が滲み出ているのではないかと思っています。
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