バックボーカルは女性二人!
ガイド:先日、伺った東高円寺UFO-CLUBでのダンボール・バットでのライヴ、楽しかったです。バックボーカルは女性二人、ロキシー・ミュージックもそうでしたもんね。「Love Is The Drug」で、二人のセクシーなバックボーカルとクネクネと歌うミリタリーファッションのブライアン・フェリーはなんとかっこいいんだ!…当時、思いましたもん。AMIさんも、そんなアイデアがあるんでしょうか?
AMI:
「Love Is The Drug」にやられましたね。あれは卑怯です(笑)。たしかに、あの演出には影響受けましたね。まあ、欲を言えば、黒人のコーラスが欲しいんですよ、3人ばかし(笑)。これもロキシー・ミュージックに感化されたんですけど。ロキシー・ミュージックの82年の「ハイ・ロード・ライヴ」でしたか?あの映像見て、カッコいいなあ、と(笑)。で、まあ、さらに欲を言えば、フル・オーケストラと合唱隊をバックに従えて、コックニー・レベルのそれこそ「セバスチャン」みたいな世界を…っていう野望もあるんですけど、一生無理ですね(笑)。
Love Is The Drug (YouTube)
ガイド:
ちなみに、AMIさんとツーショットで写っているセクシーなバックボーカルのお姉さんは、誰でしょう?
AMI:
2002年のアルバム『未来ブティック』のちょっと前ぐらいからコーラスとして参加してもらっているAYAKOです。彼女は普段、バーレスクダンサーとしても活躍しています。
ガイド:
なるほど、道理で身のこなしが艶やかです。
AOR的に爽やかに壊れている
ガイド:では、3年半ぶりとなる『壊れたカセットはA.O.R.』について伺いましょう。今回のジャケは、『ガロ』などで漫画を描かれている逆柱いみりさんによるイラスト。確かに、80年代のAORモノには、都会やリゾートのイラストのイメージがありましたね。逆柱いみりさんには、なにか具体的な注文をしたのですか?
壊れたカセットはA.O.R. (amazon.co.jp)
AMI:
「A.O.R.」などと言ってるクセに、サウンド的にはAORのかけらもないというふざけたアルバムなんですが(笑)、まあ、AORという言葉の響きから連想するイメージに絡めての精神論としてのAOR…って、自分でも何を言っているのかわかりませんが(笑)、“AOR的に爽やかに壊れている”…が今回のアルバムのテーマです(笑)。たしかに80年代のそういった類の音楽のジャケットには、おっしゃる通りの共通のイメージがありました。たとえば、大瀧詠一さんのロンバケのジャケ画を描いた永井博さんとか、週刊FMステーションの表紙を描いていた鈴木英人さんの絵とか。未だにあの手のイラストを見ると、ソワソワしちゃいますね(笑)。
ただ、それをそのままウチのバンドのジャケットでやってしまったのでは、ダンボール・バットの世界観とはちょっと違ってしまうわけで、それよりもう少し下世話というか場末感があったほうがいい。そのへんを逆柱いみりさんに説明して出来上がってきたのが今回のジャケットなんです。イラストの中のナースがとっているポーズはピンクレディーの「UFO」の振り付けだし(笑)、80年代を象徴するモノが上手にキッチュにかつポップに凝縮されていると思います。