「書かせるな、しゃべらせろ」。原稿作成のポイント
トップには現場目線で語ってもらうインタビューが伝わるコツ
どんな社長でも直接語ってもらえば、従業員の知りたいトップの「夢」や「人柄」を社内報で伝えることはできるはずです。「書かせるな、しゃべらせろ、答えてもらえ」のインタビュー取材が効果的です。
インタビュー取材のよさは、編集側が内容をコントロールすることで、テーマをはっきりと打ち出すことができ、役割に応じた発言を掲載しやすく、ポイントが明確な記事になり、結果として読者にとっても分かりやすいメッセージとなるからです。或いは、質問事項にアンケート式で答えてもらい、編集のほうでそれをうまく起承転結のある文章にして、それを手直ししてもらい掲載する方法もあります。
原稿依頼しかできない場合は、どこに出しても恥ずかしくない状態に手を入れることが必要です。1頁ものだったら、3本程度の小見出しはつけると良いでしょう。内容をわかりやすく示すもので、読者がそれだけを読んでも、概略がわかるようにしましょう。
掲載写真は、何かを一生懸命に話している写真のほうが表情豊かでインパクトがあります。一般社員が経営トップと接触する機会はそんなに多くないので、社内報に写真が掲載されると、それだけで一つのイメージができてしまいます。「とっつきにくそう」となると、経営者との間に距離ができ、大切なことを話しても、すんなりとは受け入れがたい気持ちになってしまいます。
原稿内容と写真の表情がマッチしていないとおかしな誤解を招く恐れがあります。厳しいことを言っているときは、それにふさわしい表情の写真が良いでしょう。インパクトのある写真一点と、現場での姿の写真を使うことで、親近感が増すものです。
トップへの親近感を醸成するには
トップを雲の上の存在から下ろし、社員と同じ普通の人として演出しましょう。書籍紹介のコーナーのような誰でも登場できる企画においてにさりげなく、一般社員と同じようにトップも登場させます。「こんなところに社長が登場!」、読者はきっと驚くでしょう。トップ交代の際は、新経営者の公私が全てわかるという徹底した紹介が良いでしょう。経営方針、人間的な側面、一般社員が期待すること、出身親会社の同僚や先輩たちの期待と、若い時代の人物像、奥様と子供、家庭人としての人物像。新入社員のときの写真、家族団らんの写真。子供時代の事や、社内で苦労したことや失敗したこと、社内では知られていない人間っぽいところを引き出します。社員は、社長の全てを知った気分になるし、親近感を持ち、全力をつくしてがんばろうという気になるものです。