新宿と四ツ谷の間で、静かにたたずむ「味遊心 中屋」
丸ノ内線の四谷三丁目駅から、新宿通りを新宿方面に数分歩きます。外苑西通りにぶつかる1本手前の小道を右折。しばらく進むと右手に現れるのがそば店「味遊心 中屋(あじゆうしんなかや)」です。新宿と四ツ谷の間、駅で言うと新宿御苑前と四谷三丁目の間で、しかも奥まっている……偶然見つけた!というような場所とは言い難い、これぞ知る人ぞ知るという立地です。しかしオシャレな外観です。同じようなテイストで、夜営業中心のオシャレな高級そば居酒屋は都内にはたくさんありますが、創業100年超えの店はなかなかお目にかかれません。街から離れポツンと存在し、一見してそんな老舗に見えないのも同店の魅力であり特長でしょう。
創業は1890年(明治23年)
中屋の創業は1890(明治23)年のこと。以前の店舗は大きな新宿通りに面していましたが、道路の拡張工事に際に現在の場所に移り、ひっそりと(もちろん確実にしっかりと)営業を続けています。そんな同店が営業を開始した1890年とは、どんな時代背景だったのでしょうか……。日本の電話の幕開けが実はこの年です。現在は誰もがケータイを所持する時代ですが、東京・横浜間で交換業務がスタート。加入者は東京=179、横浜=45との記録が残っています。その他、富山の米騒動、世界初のメーデー開催などの史実も。徳川慶喜53歳、夏目漱石23歳、武者小路実篤5歳のこの年、中屋もその歩みを始めています。
では、四谷4丁目に潜む?老舗そば店へと参りましょう。