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Toys to lifeとレベルファイブの野望(2ページ目)

レベルファイブは2015年4月7日に、東京ドームシティホールにて新作発表会「LEVEL5 VISION 2015 THE BEGINNING」を行いました。目玉の1つは妖怪ウォッチシリーズの海外進出です。しかし、実はもう1つ、重要なタイトルがあるんです。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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Toys to Life

amiiboの図

amiiboはまさしく、Toys to Lifeの商品です

スナックワールドのジャラや任天堂のamiiboのようなゲームと連動したフィギュアのことを「Toys to Life」と言います。実はこのジャンルは任天堂が考えた新しい遊びではなく、既にあって、海外でヒットしたジャンルなんですね。「ディズニーインフィニティ」や「スカイランダーズ スパイロの大冒険」など、日本のゲーユーザーにはちょっと馴染みの無いタイトルなんですが、これが北米を中心にヒットを飛ばしていて、任天堂はむしろ後発と言えます。

Toys to Lifeというのは、命が吹き込まれた玩具、というような意味です。ディズニーが分かりやすいと思うのですが、ゲームを買うと「ディズニーインフィニティ・ベース」というものがついてきていて、これをゲーム機に装着するわけです。ここに専用のフィギュアをかざすと、対応したディズニーキャラクターがゲームに登場して、まるで玩具に命がふきこまれたようだと、こうなるわけです。

任天堂がここに目をつけ、自社キャラクターをフィギュア化してゲームと連動させたのがamiiboなんですね。もともとWii UにはSuicaなどの交通系電子マネーに使われている近距離無線技術、NFCが搭載されていますが、ニンテンドー3DSにもNFCが搭載されたNewニンテンドー3DSが登場。ハードとソフトの足並みを揃えて展開できるプラットフォーマーの強みを活かして、Toys to Life市場に参戦したわけです。

そしてここに、レベルファイブもスナックワールドで登場します。

海外を狙うレベルファイブ

レイトン教授の図

レベルファイブはいままでも、レイトン教授など、海外でヒットを出した実績があります

ゲームと連動するフィギュアがお店で買えるというと、すぐに妖怪ウォッチシリーズにおける妖怪メダルの延長線というイメージが頭に浮かびます。実際それは間違ってはいないでしょう。フィギュア連動だけでなく、アニメや映画などのクロスメディア展開など、妖怪ウォッチシリーズやレベルファイブのこれまでの実績を想起させる手法が盛りだくさんです。

しかし、Toys to Lifeの方に目を向けてみると、海外で成長株であり、自社の得意分野に近い市場に目をつけているということに気が付きます。そういう目で見れば、アニメ展開1つとってみても、妖怪ウォッチがいかにも日本のテレビアニメであるのに対し、スナックワールドは、ピクサーなどの海外アニメを想起させるフル3DCGになっていることにも合点がいきます。

妖怪ウォッチシリーズの海外進出も合わせると、レベルファイブが海外市場を強く意識していることが良く分かります。
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