3 壁につけるヒッツキ収納
地方の家は、敷地も屋敷も広さに恵まれているケースがあります。でも、都市住宅の多くは、狭さと葛藤する場面が避けられません。特に、収納面では場所を取らずに効率よくしまう方法が求められます。そこで目を付けたいのが、床に家具を置かずにすむ壁の活用法です。左:折り曲げた空間が収納スペース。木製だから日本の住まいにもピッタリ!「DRUGEOT LABO」 中央と右画像:背面がミラー仕上げの棚。整理整頓の結果が、広がりを印象付けるミラー効果へとつながる。「THUT MOBEL」国際家具見本市ミラノサローネ2015展示より
その結果として、奥行き10センチほどの薄い棚でも、身のまわりのモノがしまえます。シンプルな収納でまかなえるから、スペース節約と美観が両立。愛用品だからこそ美しく整えておきたいスマートフォン、財布、タブレット、キーホルダー、サングラス、ストールなど、いつも整理整頓されていると気持ちもスッキリです。
4 壁をくりぬくアルコーブ収納
私たちが必要としているのは、押し入れやクローゼットのように、奥行きのある収納ばかりとは限りません。本、DVD、CD、食器のようなアイテムは、一列にズラリと並べることで、見分けやすく出し入れがスムーズ。ということは、棚の奥行きは浅くていいので、壁の中をくりぬく程度で十分なのです。「『KARIMOKU NEW STANDARD』では、家具をオブジェクトとしてではなく、腰を掛けて話をしたり、休んだり、本を読んだり、食べたり飲んだりとするときにいつのまにか使っている、そんな日常のような空間で、家具を提案したいといつも考えています」とのこと。木の素地と着色した家具の組み合わせが爽やか。2015Fuori Saloneの展示より
そこでポイントとなるのが、収納と家具選びをセットで進めること。椅子、テーブル、ソファは、シンプルで心地のいいデザインのものを選びたいところ。そこで辿り着くのが素材の持ち味と、優れたアイディアを形にする職人の技。壁の一部と化した薄い棚との相性がいいのは、やはり木の質感と無駄をそぎ落としたフォルムではないでしょうか。
上:自身がデザインした椅子 SCOUT CHAIRに腰かけているデザイナー、クリスチャン・ハース氏、その後ろにあるシェルフはPILE(デザイン TERUHIRO YANAGIHARA)。下:CASTOR SOFA(デザイン BIG-GAME)。2015Fuori Salone「KARIMOKU NEW STANDARD」の展示より
最後に、「あったらいいな」という羨ましい収納をご覧に入れます。