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ハレー彗星の名残、みずがめ座η流星群の観察方法2017

毎年ゴールデンウィークの終わり頃に活動のピークをむかえるのが「みずがめ座η(エータ)流星群」です。その流星群のふるさとは、あの有名なハレー彗星。夜空を見上げれば、時空を超えた宇宙のドラマの目撃者になれます。2017年の観察しやすい日時や方角などを解説します。

執筆者:景山 えりか

GWに、みずがめ座η流星群を観察しよう!

「みずがめ座η(エータ)流星群」は、毎年5月6日頃に活動がピークに達する流星群です。そこそこまとまった数の流星が見られるうえに、ゴールデンウィークの最終日と重なることが多いので、私は連休の締めくくりに毎年楽しみにしています。

2017年の観察条件と流星探しのコツ

2017年、みずがめ座η流星群の活動がもっとも活発になるのは、5月6日(土)午前11時頃と予想されています。ピークが日中なので、流星を見つけやすい時間帯は、6日の未明から夜明け前までです。

この日の月は、上弦(半月)が過ぎて、満月に向かって少しずつ満ちてきている状態。西へ沈むのは午前2時頃です。月が沈む前に流星を探すときは、月に背を向けるなどして、月明かりの影響を受けないようにしましょう。

また、次の2つも意識してみてください。

1つめは、空の広範囲を見渡すこと。
流星は空のどの方向にも現れる可能性があるので、空の一点だけをじっと見つめるのはNGです。方向は気にせず、空を広く見渡すようにしましょう。

2つめは、少なくとも20分は眺めてみること。
夜空を見上げた途端、流星が目の前に現れるとは限りません。また、瞳が周囲の暗さに慣れるまでには少し時間がかかります。流星探しに焦りは禁物。時間と心に余裕を持ち、少なくとも20~30分くらいはじっと空を眺めるようにしたいものです。

外灯が少なくて、見晴らしのよい場所だと、流星に出合える可能性はさらにアップ! 1時間に10個くらいは見られるでしょう。

ほかにも、楽な姿勢で見る工夫や、安全確認、虫よけ対策など、夜空を見上げる場所に応じて観察環境を整えてください。

みずがめ座η流星群

行楽地へ出かけている人にも、家でのんびりと過ごしている人にも、普段通りに仕事をしている人にも、星降る夜がめぐってきます


みずがめ座η流星群は、ハレー彗星からこぼれ落ちた輝き

流星群とは、毎年同じ時期に空のある一点から、流星が四方八方に飛び出してくるように見える現象のこと。流星が飛び出してくるように見える中心点のことを「放射点」といいます。流星群は、一般的に放射点のある星座の名前で呼ばれています。みずがめ座η流星群の場合は、放射点がみずがめ座にあるというわけです。けれど、みずがめ座の方向から流星が飛び出してくるように見えるだけで、この流星群の生まれた場所がみずがめ座にあるわけではありません。

それでは、みずがめ座η流星群の故郷はどこだと思いますか? 実は、あの有名なハレー彗星なのです。

そもそも流星の正体は、宇宙空間にただよう直径1ミリメートルから数センチメートル程度のチリの粒。おおざっぱに説明すると、流星とはそのチリの粒が猛スピードで地球の大気に飛び込み、大気との摩擦により光を放つ現象のことです。

彗星は、太陽に接近する際にチリを放出し、軌道上にチリの帯をつくります。そのチリの帯の中を地球が通るとき、チリ粒子の群れが地球の大気に飛び込んできて流星群が出現します。

つまり、みずがめ座η流星群を見ることは、ハレー彗星の名残を目にするということ。ひとつひとつの流星は、遠い昔にハレー彗星からこぼれ落ちた輝きです。そう考えると、なんてドラマチックなんでしょう! 夜更かしをしてでも、流星のきらめきを追いかけずにはいられません。

もしも当日に、「空が曇っちゃった」「うっかりして見逃した」などなど、流星が見られなかったとしても、がっかりしないでくださいね。みずがめ座η流星群は毎年めぐってくるのですから。来年、再来年……と、宇宙のドラマを目撃するチャンスはまだまだ続きます。

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