新型レジェンドの外観は好みが分かれそう
発売が遅れていたホンダ・レジェンドがついに街中を走りだした。デザインは各人好みがあるだろうが、個人的には外観、とくにフロントマスクは良くも悪くもインパクトが強すぎで、リヤの印象はやや薄味というアンバランスが気になってしまった。
しかし、メカニズム的にはこれほど話題満載なモデルはそう多くなく、ホンダらしさにあふれている。
複雑な制御だが自然なフィーリング
3モーター式ハイブリッドの最新SH-AWDは、その制御も複雑で難しそうだが、乗ってみると意外なほど普通で、確かに大きさを感じさせないドライバーズセダンに仕上がっている。
7速DCTは、発進時にありがちなDCTのギクシャク感を抑制すべく、2速発進になっているそうで、走り出しは基本的にモーターによる後輪駆動。
そこからアクセルを踏み込むとエンジンが始動し、フロントタイヤを駆動させ、全開加速時(パワフルなのでほとんど必要ないが)など、より加速力が必要なシーンでは四輪駆動になる。
なお、エンジンが始動するのは、わずかに聞こえる音とほんの僅かな振動でも分かるが当然ながらほとんど気にならない。
314ps/6500rpm、371Nm/4700rpmのV6 3.5L 直噴エンジンを搭載。カタログ燃費は16.8km/Lで、アイドリングストップ機構や気筒休止の可変シリンダーシステムなどを搭載している
モーター走行を含めたハイブリッド走行による印象うんぬんの前に、エンジンがとにかく気持ちいい。直噴化された新開発の3.5L V6エンジンは、片側バンク3気筒を休止させるシステムを備えているが、回していくとスムーズな吹け上がりで痛快といえるほど。
そこに35kW/148Nmのフロントモーター、27kW/73Nmのリヤのツインモーターが加わり、382psというシステム最高出力と463Nmのシステム最大トルクを得ているわけだから、スポーツモードにしなくても日本の道路事情であれば十分過ぎるほど速いわけだ。
その走行モードを「スポーツ」に入れてみると、DCTの変速がよりダイナミックになり、エンジンがより高回転に張り付くのはこの手のシステムと同じで、減速時にはブリッピングするなど気分を盛り上げてくれる。
ただし、スポーツモード時にスピーカーからエンジン音を聞かせる「アクティブサウンドコントロール」は、ドライバーズセダンを謳うレジェンドであっても、まずは高級セダンであるはずで、少し演出過剰気味のような気がした。
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