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倫太郎・半沢・古美門 堺雅人の意外なルーツに迫る!(2ページ目)

今、最も勢いのある俳優といえばこの人でしょう……堺雅人さん! 『半沢直樹』『リーガル・ハイ』と全く違うキャラクターを演じて大ヒットを飛ばした彼が現在出演しているのがドラマ『Dr.倫太郎』。薬やCT画像に頼らず、患者の話を聞くことで答えを導き出す精神科医・日野倫太郎役を好演中です。2016年度の大河ドラマでは主役の真田幸村を演じる堺さん。そんな「カメレオン俳優」のちょっと意外なルーツに迫ります!

上村 由紀子

執筆者:上村 由紀子

演劇ガイド

演劇界で語り継がれる”堺雅人伝説”

早稲田大学を中退し、事務所と劇団に所属しながらバイト漬けの日々を送る堺さん。当時を知る人に聞いた話では、その生活はかなり逼迫していて、例えば街で後輩に会ってコーヒーをおごっただけで「あの堺さんからコーヒーをおごって貰いました!」「え、マジでっ?」「ほ、本当かっ?」と半年は仲間内で話題になるほどだったそう。

更に、勘当された実家で言われた「野菜だけはしっかり食べなさい」という言葉を守り(?)、お金がない時は道に生えているタンポポを野菜代わりに食していたとか、大好きなお寿司を食べるお金がなく、部屋に寿司ネタの写真が載っている宅配寿司のチラシを貼り、その上からマジックで「食べたい!食べたい!」と書いて気を紛らわせていたとか数々の”堺雅人伝説”も耳にします……恐るべし、個性派俳優の貧乏時代!

たんぽぽ

下積み時代はたんぽぽを”野菜”として食べたという逸話も


『新撰組!』山南敬助役で大ブレイク!
「曖昧な笑顔で喜怒哀楽全てを表現する男」

そんな堺さんに役者としての風が吹き始めるのは2000年頃。両親に勘当を解いて貰うきっかけになったNHKの朝ドラ『オードリー』や映画への出演、更に舞台でも三谷幸喜氏作のホラーコメディ『Vamp show』や、サードステージ『ビューティフル・サンデイ』への参加で一気に注目度が高まっていきます。

そして彼の名前を不動のものにしたのはやはりこの作品ではないでしょうか……2004年の大河ドラマ『新撰組!』。三谷幸喜氏が脚本を書いた本作で、堺雅人さんは山南敬助役を演じ、あの独特の”笑顔”と、静かな情熱が画面から溢れるような演技で視聴者を魅了。山南さんの切腹前には「彼を助けて欲しい」と多くの嘆願書がNHKに送られ、エピソード回「友の死」は単独で再放送と言う異例の事態も起きました。

その後の堺さんの活躍はご存知の通りですが、ガイドが個人的に何よりハマったのが、2006年にPARCO劇場他で上演された『噂の男』という舞台。劇中で堺さんが共演の橋本じゅんさんに「曖昧な笑顔で喜怒哀楽全ての感情を表現する」と言われ、毎回ショーストップの拍手が起きていたことが忘れられません。


 

この舞台の後、三谷幸喜さんが作・演出を担当したシアタークリエのこけら落とし作品『恐れを知らぬ川上音二郎一座』(2007)、劇団☆新感線『蛮幽鬼』(2009)と二本の舞台出演を最後に、現在は映像の世界にシフトした感もある堺さん。『半沢直樹』では「倍返しだ!」という流行語を生み、『リーガル・ハイ』では怒涛の早口台詞でひと癖もふた癖もある弁護士・古美門を演じていたのは記憶に新しい所です。

4月からオンエアされている『Dr.倫太郎』では、恋愛に不器用な精神科医と言う、これまでとはまた一味違う役を演じる堺さん。第1話では、小日向文世さん、松重豊さん、蒼井優さん、長塚圭史さん、余貴美子さんらと”電車ごっこ”に興じるシーンがあったり、第2話ではゲスト主役に辻萬長さん、堀内敬子さんらを迎えるなど、今期のドラマの中で最も”演劇人濃度”が高い本作。堺さん演じる日野倫太郎が濃い目の出演者たちの中でどんな化学反応を見せてくれるのか、今後の展開から目が離せません!

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