何を見ても思い出してしまう
テレビ以外の活躍では、映画「トラック野郎」シリーズのジョナサン役も広く知られていました。
何を見ても愛川欽也を思い出してしまうのは、もちろん突然の訃報を目にしてしまったことも大きいですが、それだけじゃない気もします。1970年代から80年代にかけて、テレビがもっとも勢いを持っていた時代に、大メジャーな番組からマニアックなものまで、一手に引き受けていた印象が強いからでしょう。
声の仕事で人気獲得
昭和九年会のメンバーとしても知られた愛川欽也は、高校中退後すぐに俳優座養成所に所属。役者の道を進みながらも、テレビへの進出も早く、60年代初頭から海外ドラマの吹き替えや、アニメの声優として活躍してきました。中でも、当時の子どもたちから絶大な人気を集めたのが、65年スタートの「おはよう!こどもショー」(日本テレビ系)の着ぐるみキャラクター・ロバくん。声を担当するばかりか、着ぐるみの中に入ってチビっ子たちと踊ったり体操したりと、毎朝大はしゃぎしてました。簡単に言ってしまうと、ふなっしーのご先祖様ですね。
あまりの人気ぶりで番組内にミニドラマのコーナーまで生まれました。人情ものの「泣くなロバくん」から、時代劇(?)の「怪傑ロバ頭巾」まで、バラエティーに富んでました。いま考えると数ある動物の中で、何故わざわざロバをマスコットにしたのか? 梨以上に謎です(笑)。