月3万円のお小遣いでは少なすぎる
お小遣いは浪費なのか?
お父さんのお小遣いは、投資だからです。
もちろん、ここでいう投資としてのお小遣いとは、趣味のフィギュア集めとか、キャバクラ通いといった用途ではありません。お父さんが今より稼げるようになるための「必要経費」という意味です。
子どもの教育にお金がかかるから、その分はお父さんのお小遣いを削る、という考えもあるようですが、大元の収入が増えれば子どもの教育だけでなく、旅行や外食といったレジャーなど、様々なことにお金を使えます。
つまり一家の稼ぎ手がさらに稼げるようになることが、家計のパイを広げ、結果として家族の可能性を広げることにつながるのです。
そして、そのためには先行投資が必要です。
たとえばお父さんが本を買うことで、知識と情報を得て仕事に活用する。重要な人物を高級レストランでもてなすことで人脈を広げ深める。海外視察に行くことで新しいビジネスのヒントを得る。最新のデジタルガジェット(携帯型の電子機器)によって生産性を高める……。
などなど、小遣いが月3万円では家と会社の往復しかできないですが、増えれば活動範囲もさらに広がり、成果・昇進・昇給・栄転・スカウトなどによる収益機会も増やせます。100%そうならなくても、少なくとも可能性は高まるでしょう。
これは、「お金の器を広げる」という視点においても重要なことです。
有名な「鎖につながれた象」という寓話があります。
子どもの頃から鎖につながれた象は、成長して自分の力で杭を引き抜く力がついても、鎖の届く範囲内でしか活動しない、という話です。
小遣い3万円でちまちま生活する習慣ができると、お金の使い方も3万円の範囲内でしか意思決定できなくなるおそれがあります。
小遣い月3万円の人が、月3万円分の本を買うことができるか。1回5万円のセミナーに参加する度胸があるか。著名人を誘って勉強会を主催し、謝礼10万円を払う勇気があるか……。
そしてそんな人に限って、マイホームや新車を買うときは気が大きくなり、「せっかくだから」というよくわからない理由で高額なオプションを付けたりします。
先ほどのデジタルガジェットなども「ただ欲しいだけじゃないの?」という無駄遣いになる懸念があり、特に男性は注意が必要です。ですから、単純にお父さんのお小遣いを増やせ、ということではありません。
いったい誰に、どんな投資をすることが家族の未来にとって望ましいのか、夫婦で話し合ってみてはいかがでしょうか。
参考図書:『お金持ちが財布を開く前に必ずすること』(午堂登紀雄 著/KADOKAWAメディアファクトリー)