世界で愛される「いないいないばあ遊び」
「ばあ!」でニコニコ
日本だけの遊びではないようです。英語での表現「Peek-a-boo(ピーカ・ブー)」は耳にしたことがある方もいるでしょう。そのほかにも、フランス語「Cache-cache cou-cou(カシュカシュ クークー)」、ドイツ語「Gugus dada!(グーグス ダーダ)」、イタリア語「Bao bao cette (バオバオ シェッテ)」など、各国に同じような遊びをする際の表現があるようです。フィリピンでは「Eat Bulaga!(イート ブラガ)」と言いながら、いないいないばあ遊びをするそうだと、フィリピンにゆかりがある友人が教えてくれました。このシンプルな遊びは、世界で広く愛されているようですね。
このシンプルな遊びには、赤ちゃんや小さな子の社会性を育んだり、ことばを引き出していくという力があることをご存知でしょうか。いないいないばあ遊びの人気の秘密と効果、遊び方の楽しいバリエーションをご紹介します。
「不安や期待の後の喜び」が心を刺激
赤ちゃんにとっての「いないいないばあ」は、家族や保育園の先生など、いつもお世話をしてくれる大好きで安心できる人の顔が隠れた“不安”と、「ばあ」で顔が出た“喜び”を感じることができる遊びです。新生児期~3ヵ月ごろまで赤ちゃんの感情は、「快」「不快」が中心ですが、遊びを通して新しい感情を経験して刺激されることで、不安や期待、驚きや喜びなど、感情が多様に分かれつつ育っていきます。
周囲の人やもの、ことばへの関心を引き出す
遊びを通して他者に関心を持ち、かかわりに喜びを感じることで赤ちゃんは張り切り、周りの人や物に働きかける意欲を引き出されていきます。声がけによって、色々なことばがあることにも気づいていき、まだ発することはできなくても、ことばが蓄積されてきます。もっと楽しもう、色々な「いないいないばあ遊び」
手で顔を隠して「ばあ!」のほかにも、こんなバリエーションがあります。■絵本を通して楽しむいないいないばあ
人気の高い2冊をご紹介します。
・ロングセラー松谷みよ子さんの「いないいないばあ」。
ソフトなタッチの絵とお母さんやお父さんの優しい声がけで、赤ちゃんに「楽しい」「うれしい」気持ちをたくさん感じさせてあげたいですね。お世話をしてくれる存在との信頼関係の土台となります。
・仕かけ絵本の木村裕一さんの「いないいないばああそび」
ページいっぱいに登場する親しみやすい表情の動物たちや子どもの手の部分をめくると、顔が現れる仕かけ絵本。赤ちゃんの「自分でめくってみたい」という意欲も引き出すでしょう。我が家にあるこの絵本も、何度もめくられて、ページが破れかかっていますよ。
■ペープサートを使ったいないいないばあ
厚紙の表には顔を隠した動物の顔、裏には顔を出した動物の顔。「これはだれかな?」と声をかけると1~2歳の子は、知っている動物の場合は、張り切って名前を答えるでしょう。知らない動物の場合には、新しい名を吸収します。「うさぎさんは何が好きかな?」「クマさんはハチミツをなめているのかな!?」。ことばのやり取りによって、想像の世界が広がります。
ペープサートを使って、いないいない~
お顔が「ばあ~!」
■布を使って、リズムや音を添えたいないいいないばあ
布を使って、いないいないばあ。幼児期後半の子も喜びます。
タイミングをつかむことは、リズム感や、「ここで引っ張る」という判断力の育ちの現れです。
また、「ばあ」の部分で、音を高くするときは上に布を引っ張る、音を低くするときは布を引っ張るなど、音の高低で動きを変えるなどのバリエーションも。音の高低のイメージも、楽しみながら表現することができるようになっていきます。
もちろん、子どもと遊ぶときには「楽しんでくれる」「親子で楽しい」ことが一番で、理屈は二の次。でも、シンプルな遊びの中にも子どもの育ちを応援する色々な要素があると思うと、一層楽しくなるのではないでしょうか。バリエーションをつけると、赤ちゃんから幼児期のお子さんまで幅広く楽しむことができるいないいないばあ遊び。ぜひ、たくさん楽しんでくださいね。
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