ますます加速するグローバル化に備えて

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仕事やプライベートなどで外国人をはじめ、いろんな人たちと出会い、ふれあい、話します。海外旅行などはもっとも身近な例かもしれません。ほかにも、将来留学や海外での仕事を夢見ている子どもたち、インターナショナルな育て方を考えている親御さんも多くいらっしゃることでしょう。

昨今では、海外から日本を訪れる旅行者も目に見えて多くなりました。5年後の2020年には東京五輪も控えており、日本を訪れる外国人はさらに増加すると思われます。

こうした、国内外問わずさまざまな人たちと接していく機会が増えていくであろうこの環境の中で、考えておきたい大切なことがあります。それが「感染症」をはじめとする病気についてです。

身近にある「感染症のリスク」を出来るだけ減らすために

私たちの周りには、細菌やウイルスによって引き起こされるさまざまな感染症があります。これらの感染症を防ぐためにもっとも有効な手段のひとつが「ワクチン」です。
人には、細菌やウイルスなどの病原体が侵入してきたとき、それを排除する免疫力が備わっています。ワクチンは、治療方法が無い、あるいは重症化しやすい病原体に対する免疫力を事前に高めておくための医薬品です。

ワクチンは、感染症の原因となるウイルスや細菌などの病原性を弱めた「生ワクチン」と、病原体の一部を使って精製・加工したり、病原体からの毒素の毒性をなくしたりした「不活化ワクチン」に分かれています。感染症において大切なことは、感染症にかかってしまう前にワクチンを接種し、抵抗力(免疫力)を作っておくことです。

とはいえ、自分にとっては世界中にある感染症が縁遠いものや無関係だと思い、興味を示さなかったり、接種は不要だと考える人たちがまだまだ多くいます。感染症は、主に人から人へ感染することから、国内外問わずさまざまな人たちと接していく機会が増えれば、感染症にかかるリスクもそれだけ高くなります。自分が感染症に罹ることも、うつしてしまうこともあるのです。

誰もが感染してしまうことを望んではおらず、自分や家族が感染してしまうとライフスタイルは大きく変化してしまいます。とくにお子さんをお持ちの家庭であれば、早めに接種することで防げる感染症があることを知っておきたいものです。

定期接種では不十分、任意接種も検討を

日本では、「定期接種ワクチン」と「任意接種ワクチン」があります。定期接種のワクチンは国や自治体が乳幼児に接種を強くすすめているワクチンです。接種を受ける側にとっては経済的負担の少ない(ほとんどの地域で無料で受けられる)ワクチンです。一方、任意接種ワクチンは接種するかどうか接種を受ける側(赤ちゃんなら保護者)に任されているワクチンですが、決して医学的に重要度が低いワクチンというわけではありません。

現在、定期接種であるのは、麻疹、風疹、水疱瘡、破傷風、ジフテリア、百日咳、日本脳炎、ポリオ、インフルエンザ桿菌b型(Hib)、肺炎球菌、結核に対するBCG、ヒトパピローマウイルスワクチン(HPVワクチン)です。これらのワクチンを定期的に接種し、その接種率を高めておくと感染拡大を減らすことができ、上述のような感染症は実際に減っています。たとえば2007年に流行した麻疹は、接種率を高めることで激減し、2015年には日本は麻疹排除状態であることをWHOが認定しました。現在日本でみられる麻疹は海外からの渡航者が主な原因となっています。

定期接種だけでなく、任意接種となっているワクチンも、接種が不要ということではなく、できれば定期接種と同じように前向きに考えてみて欲しいものです。たとえば、おたふく風邪は現在任意接種ですが、接種率が低いこともあり、毎年のように流行がくりかえされていますし、おたふく風邪に伴う難聴や髄膜炎も発生しています。

また海外旅行の際は、入国するために接種しておかなければならないワクチンなどもあり、早めに準備しておくことが大切です。

任意接種の場合は自費ですから、接種費用に大きな差が出ることも事実ですが、疾患に罹った時にかかる費用などと照らし合わせて考える必要があります。インターネットなどで様々な情報を検索したり、医療機関に相談して情報を集めるのもよいでしょう。

しかし、定期接種になる時期を待っていては感染してしまう可能性があります。ワクチンは感染前に接種しないと効果がないものもあります。特に、環境の変化や成長の過程で、子どもが集団生活をはじめることになる場合は、できればその前に多くのワクチン接種を終えておきたいものです。感染することで暮らしが大きく変わったり、重症化して入院や仕事を休まないといけなかったり、あるいは後遺症に悩まされるなど、様々な面でのリスクがあることも報告されています。

子どもたちの将来に関わるワクチンも

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ワクチンの多くは、感染しやすい年齢での感染症を防ぐワクチンですが、感染症から将来のがんにつながる病気を予防するワクチンもあります。現在では、ヒトパピローマウイルスワクチン(HPVワクチン)、B型肝炎を予防するB型肝炎ワクチンがその良い例です。ヒトパピローマウイルス(HPV)は子宮頸がんを、B型肝炎ウイルスは肝がんを引き起こす可能性があります。

長期的な休暇になると国内外を問わず、人の移動が多くなり、旅行中の事故や輸血などにも気をつけなければなりません。感染ルートは様々です。また妊娠中に妊婦さんが風しんにかかると生まれた赤ちゃんにCRS(先天性風しん症候群)が起こる可能性もあります。グローバル化で、人と物の移動が迅速になることで、新型インフルエンザのように感染拡大のスピードも増しています。日本だから大丈夫!という時代ではありません。自分や家族の身を守るためにも、感染症とワクチンを知っておきましょう。

ワクチンに関するさまざまな情報を提供しているサイトも活用しながら、決して他人事ではない感染症と、それを予防するワクチンについての理解を深めていただければ幸いです。

【関連サイト】
ジャパンワクチン株式会社 一般の皆さまへ
愛する赤ちゃんを守るための感染症&ワクチン情報サイト ラブベビ.jp

All About「予防接種・ワクチン」

取材協力:ジャパンワクチン株式会社
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