住宅購入が終わっていれば、「年金財形」をフル活用

今からでも間に合う資産運用

今からでも間に合う資産運用

老後資金を貯めなければと、これから運用を開始するのもいいのですが、それは勤務先にオトクな資産形成の制度がない場合です。まず勤務先に「財形貯蓄制度」があるか、確認しましょう。

厚生労働省の「就労条件総合調査」(平成26年)によると、財形貯蓄制度を導入している企業は41.4%。そのうち一般財形の導入は40.2%、財形住宅は16.6%、財形年金は17.6%となっており、一般財形はできるけれど、財形年金は使えないというケースもあるでしょう。実態としては導入企業が少ないという点は、残念ではありますが、もしも、自分の勤務先で導入していたら、使わない手はありません。ちなみに、業種別でみると、金融・保険業界では半数以上の企業が財形年金を導入しています。それだけ有利な制度ということがわかっているからでしょう。

一般財形は分離課税で、通常の預貯金と同じように利息に税金がかかります。しかし、財形住宅と財形年金は、2つ合わせて貯蓄残高550万円(貯蓄型)までは利息が非課税になります。

今、40代でそろそろ老後資金をと考えるなら、まずは「財形年金」の積み立てを利用しましょう。

財形年金の加入条件のひとつに、契約時55歳未満、積立期間5年以上というものがあります。定年が60歳だとして、54歳からはじめて5年間積み立てという方法もありますが、非課税特典の550万円をフルに活用しようとすると、毎月の積立額は約9万円になります。

もちろん、積立可能な金額でできる範囲でということでもいいのですが、せっかくの非課税特典。フルに活用したいものです。現在40歳であれば、積立期間は20年。毎月の積立額は約2万2000円。これならムリなく老後資金を貯めることができるのではないでしょうか。

また財形年金のメリットとして挙げられるのは、引き出しは60歳以降と決められている点です。60歳以降に、5年以上20年までの期間が年金として受け取る期間となっています。また60歳すぐではなく、5年の据え置きが可能なので、定年後65歳までは再雇用などで働き、65歳から年金として受け取ることもできます。また、公的年金の受給開始は65歳からなので、定年からの5年間、無収入期間を乗り切るための貯蓄と考えることもできるでしょう。

途中で引き出せない、目的外の引き出しができない、という縛りがあるからこそ、確実に老後資金として準備できるのは、貯蓄下手な人にとっては、最大のメリットかもしれません。

財形制度がなければ確定拠出年金を利用

もうひとつ、特典のある資産形成のツールは「企業型確定拠出年金」です。公的年金を補完する役割として平成13年にはじまった制度です。勤務先で導入していれば、利用すべきです。最近の傾向として、財形貯蓄制度に変わり、この企業型確定拠出年金制度を導入する企業が増えています。

基本的な仕組みは、会社が掛金を拠出し、従業員は運用商品を選択、運用途中での商品入れ替えの指示もします。マッチング拠と言って、会社の掛金に従業員が掛金を上乗せすることもできます。その場合、従業員の掛金は全額所得控除になるので、所得税、住民税の節税という観点からも有利なものです。運用中の利益に関しても、課税の繰り延べが受けられるので、効率よく運用することができます。

掛金は、会社が企業年金を併用していなければ、月額最大5万5000円。企業年金と併用している場合は月額2万7500円です。マッチング拠出は、その限度額の範囲で、会社の拠出額を上回らない金額で設定できます。たとえば、企業年金を併用しておらず、会社の拠出額が3万円なら、マッチング拠出は2万5000円まで可能です。運用商品は、企業によってさまざまですが、元本保証の預貯金から投資信託などリスク商品まであります。すでに定期預金など何らかの預貯金があるなら、投資信託などで運用するほうが、この制度の利用価値が高いでしょう。

個人で投資信託の積立をはじめるのに、数多くの銘柄から選ぶのには時間がかかります。しかし、企業型確定拠出年金のラインナップ数はそれほど多くはありません。物足りないと感じるかもしれませんが、何よりも少しでも早く始めることが大事なのです。ハイリスクのものは制度上、取り扱っていないので、1~2%を目指す運用で十分な老後資金が確保できるのではないでしょうか。

自営業者でも加入できる個人型確定拠出年金

とかく、こうした公的な制度から取り残される自営業者ですが、確定拠出年金は会社員だけの制度ではありません。自営業者や、勤務先で導入していない会社員、公務員は、「個人型」を利用することができます。自営業なら月額6万8000円(国民年金基金と合算の限度額)、会社員なら月額2万3000円まで拠出できます。加入は取扱金融機関を調べて、直接申し込みをします。

自営業者にとっての最大のメリットは、掛金が全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)になること。運用中の利益に対する課税の繰り延べも企業型と同様です。ただし、個人型の場合は、管理手数料が年金受取終了までかかるので、その点は注意が必要です。

受取開始は企業型も個人型も60歳から可能ですが、加入期間が10年未満だと受取開始年齢が引き伸ばしになるので(たとえば8年以上10年未満だと61歳から)、早目に加入するというのも大切なポイントです。

40代は、子どもの教育費や住宅ローンの返済が重なり、家計は厳しくなる時期。しかし50代になればラクになるということもありません。いまから老後資金を考えておくのは本当に重要で、そのためにこうした税の優遇などが受けられる制度を活用して、老後積立を始めておきたいものです。

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