マネジメント/マネジメント事例

任天堂&DeNAはまだ序章。提携、統合が増えるわけ

任天堂とDeNAが資本提携、ファミリーマートとユニーが経営統合へ、ソフトバンク通信4社が合併…。このところ、いわゆるM&A(企業の統合、買収)案件と言われる、起業同士の資本にからむ大きな動きが目立って増えています。資本提携、経営統合、合併、買収、一見似たようにも思えるこれらの企業戦略にはいかなる違いがあり、どのような狙いが隠されているのか。事例をもとに、その背景を含めて解説します。

大関 暁夫

執筆者:大関 暁夫

組織マネジメントガイド

出遅れ感を取り戻したい同士の任天堂&DeNA資本提携

まずはじめに提携から。提携とは何か。辞書的な意味は、「互いに助け合うこと。共同で物事を行うこと」。この辞書的意味を受け一段登ってマネジメント的に考えると、複数の企業が共同で事業の一部または全部を推し進めて利益拡大をはかること、となるでしょう。一般的に業務提携と言われるものがそれにあたります。

では資本提携とは何か。業務提携をする上でお互いに一定の資本を注入し合って(一方的に資本注入するケースは一般的に買収と呼ばれます)、関係をより強化することが狙いとなります。人間で言うなら、姻戚関係を結ぶということにあたると言えるでしょう。

解説

DS等のゲーム専用機で一世を風靡した任天堂だったが…。

先日報じられた任天堂とDeNAの資本提携の狙いは、いかなるものであるのでしょう。任天堂とDeNAはそれぞれに共通した課題は、スマホゲームへの出遅れ感です。この窮地をいかに乗り切るか。スパーマリオをはじめとしたキャラクター・ビジネスに強い任天堂と、携帯ゲームのノウハウに秀でたDeNA。両社が互いの強みを活かして手を結ぶことでソフトを共同開発し、大きく先行するGREE、「パズドラ」が絶好調のガンホー、「モンスト」の大ヒットで生き返ったミクシィなどへの追撃を急ぐという構図が見て取れます。

生き馬の目を抜くゲーム業界にあっては、一刻の猶予も許されない状況であり、出遅れた任天堂とDeNAは単なる業務提携で悠長なことをやっていたのでは、開発ペースがとても追いつかないと考えたのでしょう。資本提携により姻戚関係を結ぶことで双方における全社的な一体感を早急に根付かせたいという、両社がこの提携に賭ける決意の表れと受け取れます。すなわち今回の資本提携は、出遅れを一気に取り戻すための本気の業務提携であると言えそうです。

トップ追撃へ早期効果発揮を目論むファミマ&ユニー経営統合

さて次に経営統合です。まず気になるのは、経営統合と合併とは何が違うのかということです。経営統合とは、資本を一にする同じグループ内に属することで形式上の運営組織は異なっていても、同一の企業体として収益活動をおこなうことです。具体的には持ち株会社設立がこれにあたります。

それに対して、2つ以上の企業が完全に合体してひとつになるやり方が合併です。我が国では戦後処理の財閥解体の過程において、持ち株会社の設立が法的に禁じられていたために、法的に認可された97年以前は、企業の統合は合併に限定されていました。現在は持ち株会社方式による経営統合と合併が企業の意向に応じて選択することができるわけです。

一般に、統合する双方の組織規模が大きく融合に手間と時間がかかる場合には持ち株会社方式が選択され、統合が比較的容易で効率化や重複解消によるコスト削減効果が大きく見込まれる際には合併が選択されます。

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