イタリア/イタリアの観光・世界遺産

イタリアの美術・芸術(2ページ目)

古代ローマ帝国時代から2000年の歴史を誇るイタリアには、ギリシャ・ローマ美術から、現代アートに至るまで、長い芸術の歴史の変換を21世紀の今も、「生」で見ることができます!

岩田 デノーラ 砂和子

執筆者:岩田 デノーラ 砂和子

イタリアガイド

ロマネスク芸術

ローマ帝国崩壊後、蛮族の侵入などで混乱した時代を経て、11~13世紀に生まれた素朴で宗教的な美術様式。ロマネスクはローマ風の意味があり、ローマ人の子孫としての尊厳の回復が意図されています。

北イタリアに多く見ることができ、「ミラノ」のサンタンブロージュ大聖堂はその典型。「モデナ」の大聖堂とその広場(世界遺産)は、ロマネスク芸術の建築美術的見地から世界遺産に指定されています。

ゴシック芸術

イタリアでも有数の美しさを誇るオルヴィエートの大聖堂

イタリアでも有数の美しさを誇るオルヴィエートの大聖堂

12世紀頃からフランスで起こった芸術様式で、ロマネスク様式やビザンチン様式が人気だったイタリアでは13世紀頃に確立しました。高い尖塔を持ち、繊細な印象を与えるゴシック芸術は、中部から北イタリアにかけて広まり、現在もいくつか典型的な例や作品を見ることができます。

建築物では、「ミラノ」の大聖堂や「オルヴィエート」の大聖堂、「フィレンツェ」の大聖堂やサンタ・クローチェ聖堂などが有名。彫刻では、ニコラ・ピサーニやジョバンニ・ピサーニの作品が「ピサ」の洗礼堂や大聖堂(世界遺産)、絵画ではチマブーエやジョットが代表的な作家で、フィレンツェのウフィッツィ美術館に、同時期に活躍したシモーネ・マルティーニの代表作「受胎告知」と共に展示されています。

 

ルネッサンス芸術

 ミケランジェロの大作「最後の審判」と美しい天井画があるバチカン美術館内システィーナ礼拝堂

ミケランジェロの大作「最後の審判」と美しい天井画があるバチカン美術館内システィーナ礼拝堂

14~16世紀にかけて、フィレンツェを中心に起こった芸術様式で、「キリスト教文化の抑圧から、人間性の回帰。古代に新しい価値を見出す」芸術運動が発端となり、大貴族であるメディチ家やスフォルツァ家などのパトロンの出現によって発展。初期はフィレンツェ、後期はローマが舞台となります。

ルネッサンスはイタリア語で「リナッシメントRinascimento」再生の意味があり、人体比例法や幾何学的遠近法など、人文主義的、かつ科学的な要素が取り入れられ、それまでの宗教的で平面的な絵画とは異なり、生き生きとした表現が特徴的です。この時代に活躍した作家には、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロなど、誰でも知っている名前が挙げられます。

ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」(世界遺産)は「ミラノ」のサンタ・マリア・デッレ・グラッツェ教会、ミケランジェロの「システィーナ礼拝堂の天井画と最後の審判」(バチカン市国として世界遺産)やラファエッロの「アテネの学堂」などは、ローマのバチカン美術館で所蔵されています。

建築ではブルネレッスキやブラマンテ、思想や文学ではマッキャベリやダンテ、ボッカチオ、絵画でも他にティツィアーノなどベネチア派も含まれています。

バロック芸術

バロックの巨匠ベルニーニの噴水とボッロミーニの教会が向かい合うローマのナボーナ広場

バロックの巨匠ベルニーニの噴水とボッロミーニの教会が向かい合うローマのナボーナ広場

16世紀末~18世紀にかけてヨーロッパ全体でブームになった芸術スタイル。均衡のとれたルネッサンス芸術からの反動で、あえてバランスを崩したような躍動的で、光と影を強調したり、ダイナミックな表現が特徴です。絵画では、カラヴァッジョ、建築ではベルニーニやボッロミーニなどが代表的な作家です。

「ローマ」には、バロック芸術の巨匠と称されるベルニーニの華やかな彫刻を施した噴水が多く見られます。街全体がバロックで彩られているシチリア州シラクーサを含む周囲の町々は、「ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々」として世界遺産に登録されています。
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