全体が進化すればするほど、コストの低い方へ流れていく
コストと販売のバランスが良いハードに流れている、と考えると、専用機の据え置きハードが最も元気が無いのが分かりやすくなります
この移動を、手軽に持ち運んで遊べる、モンスターハンターシリーズなどのワイヤレスによるマルチプレイのゲームが流行った、というユーザー側のニーズとして説明することが多いのですが、開発費が高騰していくなかで、据え置きハードの発売タイトル数が保てなくなった、という見方をすることもできます。そう、この頃から据え置きハードのタイトル数はごっそり減っているのです。
据え置きハードから、携帯ハードへと、コストの低い方にメーカーが流れていく傾向が、今度はスマートフォンなどのモバイル端末向けゲームアプリへと進んでいきます。
モバゲーやグリーなど、携帯電話のソーシャルゲームで、ガチャの手法が確立されていくと、その利益率の高さに多くのメーカーが興味を示します。その後ガンホー・オンライン・エンターテイメントの「パズル&ドラゴンズ」がスマートフォンで大ヒットし、一気にその手法を真似るフォロワーが出現、各社一斉にスマートフォンへと乗り出します。
mixiの「モンスターストライク」、コロプラの「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」などが次々とヒットを飛ばす中、ゲーム専用機が中心だったメーカーも遅れてはなるまいと、スマートフォン向けのアプリをリリースします。
世界最大にまで成長した日本のゲームアプリ市場
モンスターストライクは、SNS大手のmixiと元カプコンの岡本吉起氏が組んで大ヒット。モバイル端末向けゲームに色んな形で、人やお金が流れていることが分かります。
エレクトロニック・アーツなどでスマートフォンのゲームに関わり、現在ではゲーム会社向けコンサルタントのJosh Burns氏によるセッションでのことです。日本のモバイル端末向けゲーム市場規模が約60億ドルと推定され、北米を凌いで世界最大の規模になっていることが報告されました。
家庭用ゲームは、圧倒的に北米などの海外市場の方が規模が大きく、そこで販売の伸ばせない状況が日本のメーカーを苦しめていますが、モバイル端末向けゲームでは、日本こそが世界最大のマーケットになっているのです。
ゲームメーカーにとって、どちらのプラットフォームが魅力的であるかというのは、誰の目にも明らかです。