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外部専門家活用の方法が議論されています

国交省は平成27年2月26日、第10回「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」を開催し、外部専門家を活用した管理組合運営方法などを標準管理規約に新たに加える検討を再開しました。

マンションの老朽化ストックの増加に伴い、大規模修繕や建替え等の難題に直面する一方、区分所有者の高齢化、賃貸化、空室化の進行で運営に窮する管理組合が増えています。老朽マンションのなかには管理不全に陥り、必要な修繕も施されないために、防災・防犯上のリスクが高まっている事例も出ています。

こうしたなか、管理組合の業務体制や運営のあり方について検討の必要性が本委員会で取り上げられ、具体的な解決策として外部専門家の活用の想定パターンやそのために必要となる規定の整備等が議論されています。

外部専門家活用のスキーム案

本委員会では、外部専門家の活用法として、以下の3つの案が提示されています。

【パターン1】 理事(または理事長)・監事外部専門家型
役員のなり手不足、専門性の欠如、内部紛争等により役員の適任者がいない場合に、外部専門家が役員に就任する方式。
スキーム図

                    理事・監事外部専門家型


【パターン2】 外部管理者+理事会監督型
高い意識を有する区分所有者がいるものの、専門性の不足や時間上の制約の問題を抱えているケースを想定。外部専門家に執行権限と責任を持たせる一方、理事会が専門家の業務執行状況を監視・監督する方式。
スキーム図

                   外部専門家+理事会監督型


【パターン3】 外部管理者+総会監督型
比較的小規模なマンションで、高い意識を有する区分所有者がいるものの、専門性の不足や時間上の制約の問題を抱えているケースを想定。外部専門家に執行権限と責任を持たせる代わりに、意識の高い区分所有者が専門家の業務を直接監督するしくみ。
スキーム図

                   外部専門家+総会監督型


外部専門家活用の主な論点

また本委員会では、外部専門家が管理組合の役員に就任する場合に想定されるリスクへの対応として、下記のような論点を提示して議論を行っています。

(1) 専門家に対する監督機能の強化
専門家が役員になった場合に、その役員に対する監督を強化するため、標準規約に監視・監督の規定を新設してはどうか。

(2) 利益相反の生じないルールの整備
役員に就任した専門家が今後発注等の権限を有することも想定されるため、管理組合との利益相反の無いルールを整備する必要はないか。

(3) 専門家の能力向上と供給の方策
専門家が相談・助言・指導にとどまらず、直接管理運営を担うことが想定されるため、継続的な能力・スキルの向上と豊富な経験が必要であり、そのための取り組みが必要ではないか。

マンション管理士の将来性は有望か?

今後のスケジュールとしては、本委員会で取りまとめの会議を開催し、パブリックコメントの実施を経て、今夏にも標準管理規約を改正する見通しになっています。

さて、マンション管理士の有資格者やこれから資格取得を目指す方の最大の関心は、それによってこの資格の将来有望度がどれほど高まるのかということでしょう。

もちろん実務に精通した有能なマンション管理士にとっては追い風になるでしょう。しかしながら、独立開業しながら活躍するマンション管理士は現状ではかなり少なく、ペーパー資格者が圧倒的に多数派を占めています。

【関連記事】
マンション管理士としての独立・開業の道

また、マンション管理士が業務独占資格ではないことを考えれば、たとえ専門家に対する需要が今後増えるとしても、弁護士、建築士、税理士などの資格者との競争になるのは間違いないでしょう。

マンション管理士が自らの活躍の場を広げるためには、いかに自己の強みを磨いて他者と差別化できるか、いかに早期に実務経験を増やしてスキルアップにつなげるか、そして集客のためにどのようなマーケティングを実践するかがこれまで以上に重要になってきます。

マンション管理士としての成功例が未だ少ない中、その道を開拓することは決して容易でないことを覚悟しておくべきでしょう。
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