ランチメニューは4種類-大盛りも可能な「にぎり」と「ちらし」
六本木通りから少し脇道に入ったところにある仮店舗。自動ドアから店内へ入ると、右側に会計場所があります。ここはいなりずしや細巻など持ち帰り商品の受け渡しにも使われるところで、少し待てるように椅子も準備されています。そしてその奥にカウンターやテーブル席があります。このあたりは(店舗の大きさは違いますが)以前と同じ構造ですね。この日は1人で伺い、カウンター席に腰を下ろします。同店のランチメニューは「にぎり」と「ちらし」(ともに1240円)。それぞれの大盛りが1650円というシンプルな4種類です。こちらは平日限定50食となります。もちろん、通常のグランドメニューからの注文も可能です。
わたしがオーダーしたのは「ちらしの大盛り」。こちらは普通のちらしよりも具・酢飯とも多くなります。マグロのトロ、光り物、ホタテ、カニ、“油揚げ”など10種類以上の具材が入っていますね(“油揚げ”については後ほど触れます)。見た目にも鮮やかな一品です。隣に座ったご婦人2人は揃って「ちらしでご飯少な目」という注文を……個人的にすし店では握りを頼むことが多いのですが、同店のちらしはなかなか人気があるようです。
過去に何度かいただいたことがある「にぎりの大盛り」は、握りずし9貫にいなりずし1個、細巻という構成です。普通の「にぎり」との違いは、握りずしが3貫多い内容となります。同店の握りは、決して小さくはないので普通でも満足できますが、オススメは大盛りでしょうか。まぁ、このあたりはお腹の減り具合や体調などでご判断いただければと。
名物「裏返しのいなりずし」は土産物としても人気
老舗すし店として有名な同店ですが、その名を知られている大きな理由に「いなりずし」の存在が挙げられます。特徴は見た目でもすぐにわかりますが、いなりずしの油揚げが“裏返し”です。現在たまに見かけるスタイルですが、同店が裏返しいなりずし発祥の店となります。これは初代のつなさんが創業時、茶店のお茶請けとして出していたいなりずしについて、独特の食感や酢飯を入れやすいことなどから「裏返し」を採用。発売後に話題となったことで、脈々と今に受け継がれています。
また、同店のいなりずしの酢飯には刻んだ柚子が混ぜ込まれています。オリジナルの煮汁で炊かれた裏返しの油揚げと柚子の香りが効いた酢飯は、食べた瞬間に口の中で混ざり合い、絶妙な味わいを披露してくれます。柚子は旬となる11、12月に1年分を仕込むのも同店のこだわりです。ランチメニューのにぎりには1つ入るこちらの名物いなりずし。一方のちらしには、煮汁を含んだ油揚げがカットされた形で入り、海鮮類に負けじと主張しています。
ちなみに、テレビ朝日やTBSが近い同店の立地。「裏返し→裏番組をぶっとばせ」という発想から、テレビ局関係者が同いなりずしを手土産として重宝してきたというエピソードも有名です。
歴史ある名物、裏返しいなりずしのあるすし店で、ランチはいかがでしょうか?
■おつな寿司
・住所:東京都港区六本木7-14-16 リバースビル1F
・TEL:03-3401-9953
・営業時間:11:30~14:15、16:00~22:00(土曜は20:30まで) ※持ち帰りは10:00~
・定休日:日曜 ※持ち帰りは10:00~13:00
・地図:Yahoo! 地図情報