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「退職金で運用デビュー」は大丈夫?(2ページ目)

3月に入ると、定年退職の時期からか、金融機関の広告が増えるように感じます。銀行預金の金利キャンペーンや投資信託など、預け先に迷うところです。「まとまったお金」の代表格である退職金……既に退職をした方々は、どのような運用をしているのでしょうか? 今回は、最近の退職金の運用事情について解説します。

平野 直子

執筆者:平野 直子

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退職金で投資をする人の割合は?

今度の土曜日、証券会社のセミナー行ってみる?

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定年延長や再雇用制度がある企業も増えましたが、「元気で働けるうちは仕事を続けたいけれど、体調などで仕事を続けることが難しくなった場合にも備えたい」、と考える人も大変多いです。「収入を増やす」「支出を減らす」と並んで大切な家計改善策が、「運用利回りを上げる」です。

では、退職一時金の減少や老後の家計改善のために、退職金で運用をしている人はどれくらいいるのでしょうか? 前出の調査によると、2008年以降、投資をしている人の割合は、30%前後とのこと。ここ1,2年、アベノミクス効果で投資家が増えたような印象がありましたが、あまり変化はないそうです。退職金から運用に充てた割合については、「3割」が最も多く23.9%、次いで「5割」:20.7%、「2割」:15.7%、「1割」:10.5%で、「3割以下」の人が半数、という結果でした。

退職金から投資に充てる金額は、「何割」と一律に決められるものではありません。皆さんが退職後にどのような暮らしをしたいか、そのためにはどれくらいお金がかかるか、どのように対応するか、といったライフプランをもとに、運用方法を考えます。また、生活費や緊急用の費用などは、普通預金や定期預金など、換金性が高い金融商品で運用することが大切です。収益性を重視する投資信託などの場合は、ある程度(10年以上など)長期間で運用する必要がありますので、その点を踏まえて投資に充てる金額を決めていただければと思います。

【参考コラム】●これから投資を始めたい人への最初のアドバイス

投資に充てなかったお金は、そのままでいい?

ネットで他の金融機関の商品も調べてみようか!

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「少しでも利回りを上げたい」と投資をする方がいる一方で、投資に回さなかった退職金は、3人に1人の方が「振り込まれた銀行にそのまま」ということも分かりました。

●残った退職金の保有状況
・振り込まれた銀行にそのまま:31.0%
・自宅近くの銀行に預け替えた:19.2%
・より高い金利(ボーナス金利)がつく銀行に預けた:13.1%
・より良いサービスやアドバイスがある金融機関に移し替えた:7.1%
・より商品が豊富な金融機関に移し替えた:6.1%
・その他:4.0%
・使用して残っていない:19.6%
(出所:フィデリティ退職・投資教育研究所「退職者8000人アンケート 2015」)

投資に回す以外は、銀行に預けている、というのが悪いわけではありません。「生活費等に使うので、銀行預金にそのまま預けている」とか、「自宅に近い銀行が便利」ということもよくあります。また、「将来の家計も安定しているので、無理に投資をする必要はない」という方もいらっしゃいます。けれども、2011年調査と比べて「より高い金利(ボーナス金利)がつく銀行に預けた(前回19.0%)」が減り、「自宅近くの銀行に預け替えた(前回13.7%)」と割合が逆転したことには、少し驚きました。

確かに、退職金キャンペーンの定期預金などは、金利適用期間が短かったり、投資信託とセット販売だったりすることが多いので、利用することをためらってしまう、ということもあるかもしれません。自分には合わないな、と思ったら、無理に退職金キャンペーンは利用せず、国債や通常の定期預金を1年以内など組み合わせて、利用してみてはいかがでしょうか。「冷静に判断したいから、とりあえず一般の定期預金に入れて、1年ぐらい考えてみよう。」というのもアリだと思います。

>>「退職金で投資デビュー!」は大丈夫?

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