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「退職金で運用デビュー」は大丈夫?

3月に入ると、定年退職の時期からか、金融機関の広告が増えるように感じます。銀行預金の金利キャンペーンや投資信託など、預け先に迷うところです。「まとまったお金」の代表格である退職金……既に退職をした方々は、どのような運用をしているのでしょうか? 今回は、最近の退職金の運用事情について解説します。

平野 直子

執筆者:平野 直子

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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退職一時金は、減少傾向?

あと少しで定年だ……退職金、どう使おうか?

あと少しで定年だ……退職金、どう使おうか?

皆さんは、将来、退職金をどれくらいもらえる予定かご存知ですか? ガイド平野がセミナーやライフプラン相談で出会う方々に質問をすると、大まかでも答えられる人は、あまり多くはありません。フィデリティ退職・投資教育研究所が、60~65歳の男女で退職金をもらった退職者8,630人にアンケート調査をした「退職者8000人アンケート 2015」によると、退職一時金の全体平均額は、1,746.9万円だそうです。

●退職一時金の平均額
全体:1,746.9万円(2011年調査:1,873.5万円)
会社員:1,572.0万円(2011年調査:1,701.5万円)
公務員:2,438.1万円(2011年調査:2,609.8万円)

前回調査(2011年)よりも、全ての対象者で平均金額が下がっているとのことです。皆さんも、将来どれくらいもらえそうか、この機会に確認してみてください。

退職金の使用目的は?

退職金は、老後の生活費として大切に管理する他、住宅ローンの返済やリフォーム、大きな旅行などに充てる方もいらっしゃるでしょう。同調査によると、退職金の使用目的は、やはり、半数以上(52.2%)の方が「定年退職後の生活費」に使うと回答しているのですが、少し気になった点がありました。それは、退職前の年収が300万円未満の方は、「普段から日々の生活費として使う」と回答した人が60%以上になるなど、「定年退職後の日々の生活費」や「ローンや負債の返済」に充てる割合が増え、「万一のまとまった支出への備え」や「自分の趣味ややりたいことへの支出」、「住宅や車などへの支出」が減っているということです。

フィデリティ退職・投資教育研究所「退職者8000人アンケート2015」をもとにガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます)

フィデリティ退職・投資教育研究所「退職者8000人アンケート2015」をもとにガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます)


この他、年収500~800万円未満の方で、「将来的に収入が足りなくなったときの生活費に使う」と回答した人も、45%と半数近くに増えていました。この傾向は、他の年収層にも見られますので、将来もらえる年金への不安や医療や介護の自己負担額増加、物価上昇などに備える必要がある、と感じている人が増えているのではないかと思います。

>>お金にも働いてもらう、という発想
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