エネルギー収支は赤字ですか?
デスクワークが多いと活動量が減りがち
まずは食事量をチェックし、毎日どのくらいエネルギーを摂取しているのかを把握しましょう。家計簿はいつも黒字であることが理想的ですが、運動によって体重や体脂肪を減らしたいと考える人にとっては、エネルギー収支は赤字であることが大前提なのです。
なおエネルギー量の単位として用いられているものがカロリーです。摂取エネルギーと摂取カロリーはほぼ同じ意味と理解してよいでしょう。
食べないとやせない
食べなくても体重は減らないなんて・・・
カロリー表示が同じ程度の食品を食べる場合、食べやすく消化吸収の早いものは、エネルギー消費が低く抑えられます。たとえば同じカロリーをもつパンよりもご飯のほうが噛み応えもあり、より多くのエネルギーを使います。「食べない=やせる」ではないということを理解しておきましょう。
基礎代謝の再確認を
基礎代謝とは心臓を動かしたり、体温を維持したりといった身体の機能を正常に保つために必要なエネルギー量のこと。1日の総消費エネルギーの約7割が基礎代謝であり、残り約3割が生活活動代謝であると言われています。基礎代謝の中で最もエネルギーを消費する組織が筋肉です。運動によって筋肉量が増えると、運動そのものでエネルギーを消費するだけではなく、基礎代謝量もアップすることになります。筋肉量の多い人は睡眠中であってもより多くのエネルギーを消費するため、いわゆる「やせやすい体」と言えるでしょう。しかしこうした基礎代謝は加齢や運動不足などによって、ゆるやかに減少していくことが知られています。たとえば20代のときに食べていた食事量(摂取カロリー)を、40代になっても同じように食べていると、基礎代謝量が落ちている分だけやせにくいということになります。運動による筋肉量は適度な負荷やエクササイズによって、維持もしくは増加することが知られており、運動を続けることは基礎代謝量の減少を抑えることにつながります。年齢を重ねれば重ねるほど、より運動を続けていくことが望ましいと考えられるのです。
その運動は大きな筋肉を動かしていますか?
全体を使った運動がよりやせやすい
運動の効果は月単位で考える
筋肉をつけてメリハリボディを目指そう
筋肉量が増えるといわれるとついボディビルダーのイメージを持たれるかもしれませんが、筋肉は脂肪でたるんだ体をキュッと引き締める役目を果たしていると思ってください。特に女性はホルモンの関係で、よほどトレーニングと食事の自己管理をしない限り、ボディビルダーのような体型にはなれないのです。また筋肉量が増えると基礎代謝が上がるだけではなく、体重もやや増える傾向にあります。これは脂肪と筋肉が持つ質量の違いであり、引き締まった体は脂肪でたるんだ体よりも重いということを知っていると、やみくもに「やせない」「体重が減らない」と嘆く必要もなくなります。筋肉量の増えた体をチェックしてみると体脂肪量は減っていることが多いと思います。
運動はエネルギーを消費するという短期的な作用とともに、筋肉量を増やして基礎代謝を上げるという長期的な効果も期待できるものです。「運動しているけれど、なぜかやせない」と困っている方は、いつもの運動や生活習慣を振り返ってみてはいかがでしょうか。思い当たるものがあればぜひ改善策を実践してみてくださいね。