不妊症

新・MWC松田ウイメンズクリニック訪問記(鹿児島)(2ページ目)

今回は10年ぶりに鹿児島の松田ウイメンズクリニックに取材をさせていただきました。10年前は、松田ウイメンズクリニックが鹿児島で初めての不妊専門クリニックということでの取材でした。それまでは鹿児島の不妊治療は産科と併設の不妊外来がメインでしたが、松田先生がビル内に不妊専門クリニックを設立されたのです。

執筆者:池上 文尋

この10年の患者さんの変化について教えてください。

それから40歳以上の患者さんが明らかに増えています。しかしながら、年齢によって妊娠率がダウンすると言うことを理解している患者さんが少ないのは残念な限りです。

今、卵子の老化について教科書に掲載しようと言う動きが出ていますが、現時点では肝心の教師の方々がこれらの事実について理解がないのでまずは先生方に生殖医療についての基礎知識を身につけていただくことが大事だと思われます。
matsuda

松田先生の著書です!


当院においては患者さんとして医療機関の関係者が増えております。医師やそのご家族、看護師の方々も多く医療関係者から評価されている点は大変光栄ですし、また気の引き締まる思いでございます。

それから男性不妊の患者さんが増えているのも特徴的です。受診率が上昇していることもあると思うのですがEDや射精障害の患者さんも増えております。当院では泌尿器科クリニックとの連携をしており、男性不妊の患者さんにも対応できるようにしております。

また女性のセックスレスも増えておりますが介入すると嫌がられるケースも多くなかなか難しい面もあります。

しかしながら私は絶対的な不妊症患者が増えているとは思っておりません。どちらかと言うと10年やってきて信用が増して他のクリニックからの紹介が増えてきた結果、このような患者さんの増加につながっているのではないかと思っております。

離島からの患者さんについて

前回の取材の時もお話しいただいていた離島からの患者さんの問題ですが今も離島から患者さんが来られているのでしょうか?

はい、来られています。種子島や屋久島からは通院されている患者さんがおられます。奄美大島や徳之島に関しては遠いので通院が難しい状況です。
matsuda

カウンセリングルームです!


また鹿児島県内でも大隅半島の方から来られるのは通院に3時間かかったりとかするのでハンディーがあります。

患者さんによってウィークリーマンションで長期滞在し治療をされている方もいらっしゃいます。

注射の手間を省くために自己注射を活用しておりますが、まだまだ普及には時間がかかる感じです。

松田ウイメンズクリニックは人気のクリニックですので待ち時間とかも長いと思うのですがどのように対応されているのか教えてください。

以前は何時間も待ってもらうようなことがあったのですが、最近では待っても30分位で診察を受けられるようにしております。それは初診の患者さんの受付数を調節しているから。
matsuda

患者さんの感想を集めたハッピーノートです


新規の患者さんは診察に時間がかかりますのでここをいかにスタッフの負担を少なくこなしていくのかが大事になります。

新規患者さんをどんどん増やしていく事は容易ですが、それによって忙しくなってしまいスタッフの余裕がなくなり患者さんにも良い医療が提供できないのは本末転倒だと思っております。

診療においても私を含めスタッフが余裕を持って運営していく、そしてスタッフがやりがいや幸せを感じて仕事をしてもらえるようにするにはどのようなペースが良いのかを考えて初診患者を調節しております。

最後に伝えたいことがあればお願いいたします。

先ほども申した通り、クリニックを順調に運営していくこと、そして診療を通して社会に貢献できるように、スタッフには様々なことを経験し学んでほしいと思っています。

当院のスタッフは優秀ですがみんなシャイです。

勉強会などすると一生懸命学んでいる姿勢は分かるのですが質問等は一切せず、勉強会が終わった後の懇親会で盛り上がっているような状況で恥ずかしがり屋さんが多いそんな感じです。私としてはこのスタッフたちが大好きなので色々としてあげられることが楽しみでもあり人生の生きがいでもあります。

快適で最適な治療を提供していくこと、そしてそれを継続していくこと、それが大事だと思っております。

まとめ

今回、取材させて頂いて印象的だったことは、良い治療を行っていくために何が必要なのかを愚直に考える姿勢です。医療機関にとって大勢の患者さんの一人でも、患者さんにとっては唯一の医療機関であり、頼るとことであったりします。その視点をよく理解して、患者さんの立場で考える医療を追求されている点で改めて勉強させて頂きました。
matsuda

院長の松田先生です


松田先生は最後の方で「もうあと何年できるかわからないな」と冗談のように話されていましたが、私としてはまた10年後に取材をさせて頂きたいなと思った次第です。

今回も濃い有意義な取材をさせて頂きました松田先生に感謝です。また、取材後の懇親会では副院長の伊藤先生にも色々とお話頂き、楽しい時間を過ごすことが出来ました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。


■関連サイト
松田ウイメンズクリニック
http://www.synapse.ne.jp/~kaz/

松田ウイメンズクリニック訪問記(2004年)
http://allabout.co.jp/gm/gc/299998/
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