今回お話を伺ったのは【朗読の森】という団体を主宰している岡崎ちか子さん。ワークショップをはじめ、色々なシチュエーションで朗読の楽しさを知って欲しいと、出張公演や発表会などの活動を10年以上に渡って続けています。
岡崎さんはミュージカルの舞台を中心に幅広く活動する女優さんなのですが、俳優仲間の朗読公演や白石加代子さんの『百物語』を観て衝撃を受け、演劇とは一味違う朗読というエンターテインメントに大きな可能性を感じて【朗読の森】を立ち上げたそう。
『朗読』に出会ってこんなに変わった!
――現在のメンバー構成を教えて下さい岡崎
時期によって休会の方もいるので流動的ですが、現在13名。平均年齢は30代後半から40歳代が中心です。
――ワークショップに参加している方は「朗読」と出会った事で普段の生活にどんな変化があったと仰っていますか?
岡崎
私の目から見てですが、表情の明るさが増し、はっきりと自分の意見を言えるようになっていきますね。皆さん最初より積極的になっていくと思います。ワークショップ参加者に「朗読」と出会って何が変わったか……直接聞いてきましたのでご紹介します。
・本を黙読するだけでなく、声を出して深く読む事で登場人物の人生に共感出来、好奇心も旺盛になって世界が広がりました。現在OLをしていますが、電話対応など誰よりも綺麗な日本語を話すように意識しています。実際、仲間達との会話コミュニュケーションも豊かになった気がします。
・作品を通して様々な登場人物を知り、その考え方に触れる事で、周りの方々との関わり方が変わったような気がします。色々な人の考え方も受け入れられるようになったし、人間がより好きになったかも。
・日常とは違う非日常の世界を朗読では思いっきり表現しています。その中で、普段の自分とは違った一面も発見出来、日々成長しているのを実感しています。
・普段も明るくなりましたし、朗読を通じて人前で表現をすることで、人に観られることに喜びを感じるようにもなりました。人見知りだったけれど積極的になったと思います。
・朗読は自己発見の場で、忙しい日常の中でも物語に身を置くことでふと自分自身を振り返ることができます。自分の中にゆとりができて、視野が広がった気がします。
――岡崎さんにとって朗読の魅力とは何でしょう。
岡崎
朗読は身体的にも精神的にも自分自身を高めてくれます。朗読の表現では、豪華な衣裳やセットがなくても、世界観を自由に創造出来るんです。朗読はやろうと思ったその瞬間から誰でもいつでも何処ででも始められます。好きな本が一冊あれば出来るのですから。そして続ければ続けるほど、奥が深くて発見も多いエンターテインメントでもあります。自分にあった場所を見つけて、長く続けて欲しいと思います。
これから『朗読』をはじめるあなたへ
ガイドもこの15年でいくつかの朗読ワークショップに参加して来ましたが、グループや団体によって講師やファシリテーター(=リーダー)の個性も参加者の思いも本当にそれぞれ。最初は浅めにいくつかのグループに顔を出し、岡崎さんもコメントしているように”自分にあった場所”を探してみるのもいいかもしれません(ココだけの話、指導する人と相性が合わないと思ったらソコは避けた方が吉です)。真っ直ぐ声を出して、何かを読むだけでストレス解消になりますし、ジャージでストレッチから始める演劇は少し敷居が高くても、”素”の状態で参加出来る朗読はきっと色々なものからあなたを解き放ってくれる筈。仕事関係のしがらみもなく、ママ友とも違った仲間とも出会え、新しい自分を発見する事も出来る……そんな朗読の世界であなたも自由に遊んでみませんか?