初級ストライクの重要性を理解した投球で圧倒
4回1/3を無安打無失点で、走者を1人も出さない“完全投球”で締めた。
日本球界での登板は、2007年9月27日のヤクルト戦(広島)以来、2719日ぶりだったが、4回1/3を無安打無失点で、走者を1人も出さない“完全投球”。しかも球数は打者13人でたったの39球。2万2942人大観衆から喝采が止まらなかった。
「気持ち良く投げられた。いろいろ考えずにストライクゾーンで勝負して、打たせて取るという自分のピッチングができた」
メジャー7年間で通算79勝を挙げた右腕。その活躍の理由をこの日の投球でいくつか証明した。最も顕著だったのは、打者13人に対し、11人に“初球ストライク”を取ったことだ。
メジャーリーグの投手コーチは、どんな投手に対しても「初球にストライクを取れ!」と口を酸っぱくして言う。初球にストライクを取ることで、投手は打者より圧倒的に有利に立つことができる。逆に初球ボールだと、圧倒的に不利になる。それだけ打者のレベルも高く、「初球は様子を見る」などと悠長なことは言っていられないのだ。
もちろん、打者は初球からブンブン振ってくるため、甘いタマは厳禁で、厳しいコースに投げられる制球力も必要となる。黒田にはその制球力と度胸があったからこそメジャーリーグで活躍することができたのだ。
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