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広島・黒田がメジャー投球術で日本球界を熱くする(2ページ目)

8年ぶりに広島に復帰した黒田博樹投手が、ヤクルトとのオープン戦で対外試合初登板し、メジャーリーグで活躍した理由をいきなり証明した。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

野球・メジャーリーグガイド

“サンデー黒田”が、今年の日本球界を熱くする!

無四球で打者13人に対してわずか39球ということは、打者1人を3球で料理したことになるが、これこそストライクゾーンで、厳密に言えばストライクゾーンの四隅で勝負したことになる。メジャーリーグの先発投手は中4日で回るため、極力タマ数を抑えたい。そのためには無駄なボール球は投げず、三振を狙うのではなく、打たせて取るのが理想形となる。

“精密機械”と呼ばれ昨年野球殿堂入りを果たしたグレッグ・マダックス氏は、ほとんどボール球を投げず、ストライクゾーンの四隅で勝負した代表格だが、黒田もそれに近い投球術を持っていることになるだろう。いい例として、“バックドア”と“フロントドア”を投げ分けられることだ。

バックドアとは、外角のボールゾーンからストライクゾーンに入ってくるタマ、フロントドアとは、内角のボールゾーンからストライクゾーンに入ってくるタマのことで、ツーシーム(シュート)やスライダーを使う。

この日、ヤクルトの1番で左打者の藤井は四回の第2打席、2ストライクからの3球目ツーシームがまさに“フロントドア”で見逃し三振。「ボールだと思って避けて、(キャッチャー)ミットを見たら、タマは真ん中近くにあった。初めて見ました。すごい軌道でした」と目を丸くした。この投げ分けができるからこそ、黒田は日本人初の5年連続2ケタ勝利をマークすることができたのである。

初球ストライク、ストライクゾーンで勝負、タマ数を抑える。まさにメジャーで活躍した理由をいきなり証明した黒田。公式戦は日曜日に投げる計画である“サンデー黒田”が、今年の日本球界を熱くする。
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