世界へと広まっていくヒップホップ
80年代に入ると、ミュージックビデオの効果も手伝って、ヒップホップはさらに多くの人に知れ渡るようになります。ランDMC、パブリック・エナミー、LL Cool Jやビースティー・ボーイズなど数多くの素晴らしいアーティスト達が世界へと活躍の場を広げていきました。ヒップホップと言えば、まずラップを思い浮かべる人も少なくないでしょう。その内容は、ストリートでの過酷な現状や、黒人として生きるということはどういうことなのか? といったようなメッセージの濃いものから、ポップなものまで様々です。ヒップホップを通して自分の想いや考え、スタイルを表現したいという情熱が音楽や文化として形に残っていくという点は、今でも変わらずに受け継がれています。
また、80年代を代表するヒップホップに関連した映画として、「ワイルド・スタイル」、「クラッシュ・グルーブ」、「ビート・ストリート」や「スタイル・ウォーズ」などがあり、映像を通してもその時代の熱気を十分感じることができます。
最初に挙げた「ワイルド・スタイル」は83年に公開され、ヒップホップの文化を全世界に広めるきっかけともなった映画ですが、只今渋谷のアップリンクほか、全国の劇場で順次公開中。是非とも大きなスクリーンから、エネルギー溢れる80年代のニューヨークを体感してみて下さい。
次回はヒップホップがよりコマーシャル化していく90年代について触れていきたいと思います。お楽しみに!