二期倶楽部は「ホテル」ではない
憧れのホテルはハードルが高く、それは「場所」かもしれませんし、「料金」かもしれません。ホテル評論家として、ラグジュアリーホテルからビジネスホテル、カプセルホテルに至るまで、数え切れないほどのホテルを評してきた筆者にとっても、ハードル高き別格のホテルがあります。
東京から車で約2時間、別荘地としても名高い那須高原にある「二期倶楽部」はまさにそんなホテル。否、ホテルではありません。二期倶楽部には「ホテル」と何処にも書かれていません。ハードルの高さはまさにここにあります。筆者がホテルへ出向くのは、取材も兼ねてということになりますが、二期倶楽部について調べれば調べるほど、取材対象としては手に負えないと思うに至りました。
多様な施設を持った広大なリゾートホテルは全国各地に散在していますが、それはホテルという宿泊施設が主体となり他の施設が機能するという主従の関係にあります。
しかし、“ホテルではない”二期倶楽部は特定の宿泊施設を指しているわけではありません。滞在するための設備はもちろんありますが、そこには「森」があり「田園」があり、そして「自家菜園」があり「野外劇場」もあります。「村」という表現が一番近いでしょうか。二期倶楽部を訪れる者に印象づける独特の美学、価値観。それらを理解するためには、学び感じる時間が少々必要の様です。
というわけで取材は諦め、何も考えず自然に身を委ねる滞在となりましたが、翌朝提供された朝食があまりの衝撃。ホテル評論家として、全国各地のホテルモーニングを体験してきた中でも"別格"の朝食であると直感。つい取材体勢になってしまいました。
さっそく、次ページから二期倶楽部の驚くべき朝食を紹介しましょう。