埼玉県の縁結びの神「妻沼聖天山」

縁結びの神として最初に頭に浮かぶのは島根県の出雲大社でしょう。ところが首都圏からでは、そう簡単に行くことができません。埼玉県熊谷市にある妻沼聖天山(めぬましょうでんざん)は、「歓喜院」とも呼ばれ、日本三大聖天のひとつとされ、また縁結びの寺院として知られています。境内には恋愛成就のパワーが漲っていますが、妻沼聖天山の魅力はそれにとどまりません。

3つの破風の屋根が特徴の貴惣門

妻沼聖天山は、JRや秩父鉄道の熊谷駅からバスで約25分のアクセスです。聖天前のバス停で降りると、剛健な門構えが目に飛び込みます。貴惣門は3つの破風の屋根をもっていることが大きな特徴。同様の建築様式の門が国内に3棟残っていますが、最も大きいのはこの貴惣門です。

3つの破風の屋根が特徴の貴惣門

3つの破風の屋根が特徴の貴惣門


肩を並べて育つ2本の樹から漂う恋愛成就のパワー

貴惣門を潜れば、細長い妻沼聖天山の境内です。四脚門の中門、仁王門の2つの門を潜って漸く本堂の敷地に入ることができます。石舞台の右側の庭園に入ると、すぐに同じ土に根をはった2本の樹が見えます。左にエノキ、右にケヤキの2種類の樹が寄り添い、絡み合い、助け合い、力強く育っているため、夫婦の木と呼ばれています。肩を並べ天高く伸びる2本の樹の前に立てば、ケンカをしていたカップルも、たちまち仲直りしてしまうかもしれません。足元から恋愛成就のパワーが伝わってきます。
左右から金剛力士像が睨みを効かす仁王門

左右から金剛力士像が睨みを効かす仁王門

互いに寄り添い恋愛成就のパワーを放つ夫婦の木

互いに寄り添い恋愛成就のパワーを放つ夫婦の木


遊び心豊かに描かれる本堂正面の琴棋書画

夫婦の木を見て心が洗われた後は、本堂に向かいます。本殿は奥殿、中殿、拝殿が繋がる重厚な権現造りによって建造されています。堂々とした姿には、武家好みの力強さが感じられます。参拝を終え軒下に視線を移します。そこにはカラフルな彫刻が施されています。琴を弾いたり、将棋を指したり、書道をしたり、読書をしたり、様々な遊びをしている人が浮かび出しています。「琴棋書画」には、賑やかで楽しそうな雰囲気が漲っています。
重厚な権現造りの本殿

重厚な権現造りの本殿


遊び心が豊かに描かれる本殿正面の琴棋書画

遊び心が豊かに描かれる本殿正面の琴棋書画


目を引きつける左甚五郎作の猿を救う鷲

繊細に彫られた彫刻は正面だけではなく、四面全体を取り囲んでいます。本殿左面に最も有名な彫刻があります。左甚五郎作と伝わる「猿を救う鷲」に目を奪われます。激流の中に転がる猿が人間の煩悩、それを救う鷲が聖天様と言われています。
本殿左面の彫刻を解説する地元のボランティア・ガイド

本殿左面の彫刻を解説する地元のボランティア・ガイド


左甚五郎作と伝わる本殿左面の「猿を救う鷲」

左甚五郎作と伝わる本殿左面の「猿を救う鷲」


次のページでは、ユニークな彫刻と妻沼聖天山でしか味わえない食べ物についてご紹介しましょう。