穏やかに時間が流れる八代海(不知火海)を眺めながら、八代へ
北上を続ける肥薩おれんじ鉄道の車窓に、海がたっぷりと現れるのは、たのうら御立岬(おたちみさき)公園駅を過ぎてから日奈久温泉(ひなぐおんせん)駅の手前まで。ここでも海のすぐ横を肥薩おれんじ鉄道の線路が走っています。前半にご紹介した外海の天草灘(東シナ海)とは異なり、天草諸島と九州本島に囲まれた内海の八代海(不知火海)が車窓いっぱいに広がります。
内海ということもあり、波もほとんどない穏やかな八代海(不知火海)の向こうには、天草諸島の島影も望めます。ガイドが乗車した時は、ちょうど夕刻だったこともあり、サンセット間近の夕暮れの海を楽しむことができました。
日奈久温泉駅から先は、海から離れた所を走り、日本最大急流の一つに数えられる球磨川(くまがわ)を渡ると、肥薩おれんじ鉄道の熊本側の起点、八代駅に到着します。
観光列車「おれんじ食堂」など一部の列車は、八代駅から1駅先、九州新幹線への乗り換えができる新八代駅まで運行しています。
川内から新八代まで約3時間かけて車窓を楽しんだ旅もここが終点になります。たくさんの素敵な想い出が作れそうですね。
美しい車窓をゆっくりと楽しめる肥薩おれんじ鉄道をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
肥薩おれんじ鉄道の沿線には、日奈久温泉、湯の児(ゆのこ)温泉、湯の鶴温泉、津奈木温泉、阿久根温泉など温泉地が点在しており、出水には冬になると多数の鶴が越冬のために滞在するツル飛来地もあります。
2015年3月ダイヤ改正からは、週末に時速35kmでゆっくり走る「ゆうゆうトレイン」の運行も始まります。時間をゆっくりとかけて、肥薩おれんじ鉄道での素敵な車窓と名所を訪ねる旅に出かけて見てください。
肥薩おれんじ鉄道へのアプローチ
アクセス:<飛行機>
熊本側の起点、八代駅へは、阿蘇くまもと空港から神園交通バス エアポートライナー「すーぱーぱんぺいゆ」で約1時間。
鹿児島側の起点、川内駅へは、鹿児島空港から南国交通バスまたはいわさきバスネットワーク 川内方面行きに乗車し、約1時間10分。
<鉄道>
九州新幹線 新八代駅からJR九州 鹿児島線で八代駅へ。新水俣、出水駅、川内駅では、肥薩おれんじ鉄道に直接乗り換えることができます。
●肥薩おれんじ鉄道 観光列車「おれんじ食堂」
運行ダイヤは、午前中の出水→新八代間(おれんじ食堂1号)、日中の新八代→川内間(おれんじ食堂2号)、午後遅く~夜の川内→出水→新八代間(おれんじ食堂3号)、夜の新八代→出水間(おれんじ食堂4号)です(2015年3月20日以降)。
運転日が限定されていますので、「おれんじ食堂」のWebサイトで確認して下さい。
事前に予約が必要で、九州外から予約する場合はおれんじ鉄道の予約センターに電話で予約する必要があります(インターネットによる予約はできません)。
※食事なしのプランも用意されていますが、周囲が食事する中での乗車となりますので、旅を楽しみたい時は食事付きのプランを選ぶのがベターです。
食事付きのプランでは、時間を空けて料理が配膳されるため、列車運行の全区間を乗車する形になります。
すべて詳細は「おれんじ食堂」のWebサイトで確認して下さい。
また「おれんじ食堂」の乗車を含めたパッケージツアーが、航空会社や旅行会社で企画されている場合もありますので、確認してみるのも良いでしょう。
【関連サイト】 ◇「九州の名所」に、「名所・旧跡」ガイドで九州地方の名所・旧跡を紹介した記事の一覧をまとめてあります。