中古住宅購入の注意点(1)外観や屋根は近寄ってじっくりチェックしよう

和風?洋風?まずは誰もが住宅の外観を気にして、その次に全体の老朽化具合をチェックします。ところが、外壁や屋根はリフォームすれば見た目上綺麗になるので、その住宅が以前どういう状態であったかは見極めにくいところです。

過去の修繕記録が提示されているのであれば良いですが、通常は無いのがほとんど。そこで、近寄ってじっくり見てみましょう。外壁のヒビ、基礎のヒビ、地盤沈下はないか、雨の影響痕跡はないか、ネズミの出入りになっているところはないか等々がポイントです。

基礎のヒビundefined地盤沈下

基礎のひび割れを確認


屋根もじっくりと見たいところではありますが、実際には屋根に上がれない状況がほとんどかと思われます。そこで簡単に確認する方法として、カメラを自撮り棒や三脚に取り付けて、動画かタイマー設定で屋根上を撮る方法があります。意外と屋根が大きく撮れてわかりやすいので、全体を判断するひとつの材料になります。

下の画像は離れたところから撮った写真です。

道路から屋根をチェック

離れたところから屋根を見ると気がつかない部分もある


一見綺麗に見えるのですが、実際にバルコニーから屋根を撮影すると、剥がれかかっていたり、板がずれていることがわかります。

屋根材が剥がれ落ちている

近くで撮影!屋根材が剥がれ落ちている

屋根材がずれている

屋根材のずれが分かる


中古住宅購入の注意点(2)室内では感覚を研ぎ澄まして異変を察知しよう

初めての住宅に入った時に、「ちょっとカビ臭い」と思ったことはありませんか?臭いは慣れるのでなかなか気が付かないですが、最初に内部に入った時に感じた違和感が大事なので、しっかり確かめるようにしましょう。もしカビ臭いと思ったなら、見えていない壁の結露などによるカビも心配しましょう。

下の写真は、カビが生えてしまった例です。窓下の壁は冷えやすいので、家具等を置いて空気の対流がないと結露も起こりやすく乾燥もしずらくなります。状況がひどいと内部の木材まで腐ることもあります。

窓下結露カビ

窓下の壁に結露によるカビ


そして床鳴り、傾きはあるかどうかなどにも神経を尖らせて歩いてみましょう。スリッパを履くのではなく靴下を履いた状態で、すり足で歩くと分かりやすくなります。

よくビー玉かゴルフボールを転がしてみるとわかると言う方もいますが、それは目安程度にしておきましょう。優良住宅でもまったくの水平の床というのは難しく、少しは傾きがあるものなのです。その傾きの度合いとしてはこのような判断基準が参考になります。

  • 3/1000未満の傾斜を「構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が低い」
  • 3/1000以上6/1000未満の傾斜を「構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が一定程度存する」
  • 6/1000以上の傾斜を「構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が高い」

ただこれも6/1000以上の傾きがあるから欠陥住宅だとは判断しづらく、購入する前に歩いてみて、もし気になるような場合は購入を諦めるか床を改修するつもりで判断しましょう。

もし上記の傾き数値を知りたい時は住宅検査機関等の専門の方に依頼し計測してもらいましょう。下の写真はレーザー水準器と下げ振り錘を利用して建物の傾き歪みを計っているところです。

水平・垂直の誤差

水平・垂直の誤差を計測


中古住宅購入の注意点(3)床下収納や点検口があれば、中を覗いてみよう

大事なのは床下の状況です。もし床下収納や床点検口があるようであれば、開いてみて中を覗いてみましょう。まず首を突っ込んでみて内部空気の湿気状態がどうか、土台・大引・根太なども木材の状態はどうか、断熱材は朽ちていなくて有効に入っているかどうか、シロアリの痕跡はどうかなどを見てみましょう。

さらにもし潜って行けるようであれば各所の木材の状態・断熱状況・配管の漏れ等も見て写真を撮っておきましょう。

床下換気、断熱材無し

床下換気タイプの住宅であるが、床下に断熱材が無い


中古住宅購入の注意点(4)書類もしっかりチェックを!

鉄筋コンクリート造では1981年の新耐震設計による法改正がありましたが、木造住宅では金物補強・耐力壁のバランスなど、地震に対する強化が阪神・淡路大震災を受けて2000年に法改正がおこなわれています。この後か前かということが耐震性能を判断するひとつの材料となります。
(■関連記事:住宅の耐震基準は1981年と2000年が転換期

また既存建物の確認申請、検査済証、竣工図面も確認しましょう。もしこれらの書類が無い場合は、より詳しく知ることが困難です。増築などのリフォームをしようとする時に、まず既存建物の調査・図面作成から始めることになったり、いろんな手続きで不利な場合が出てくることも考えられます。

また過去にリフォームされている場合は、同様にそのリフォームの履歴がわかる書類や図書もあったほうがいいですね。

契約書による瑕疵担保責任も確認しましょう。民法では、買主がその住宅に瑕疵があることを知ってから1年以内に売主に対して損害賠償を求めることができるようになっています。ただ、それだといつまでも売主が不安な状態になるので、多くの売買契約書では下記のように瑕疵担保責任の期間を制限明記されていることがほとんどです。
  • 売主の瑕疵担保責任を免除する
または
  • 瑕疵担保責任の期間を引渡しから1~3ヶ月とする
また売主が不動産会社の場合は、
  • 瑕疵担保責任の期間を引渡しから2年とする
このように明記されているので、ぜひ確認しておきましょう
(■関連記事:中古住宅の瑕疵担保責任

現状の税制優遇も確認しましょう。築20年を越える木造住宅は住宅ローン減税対象外となっていますが、引き渡し前に「既存住宅個人間売買瑕疵保険」に加入するか「耐震基準適合証明書」が取得できれば減税制度が適用されるので、不動産会社等に確認しましょう。

中古住宅購入の注意点(5)専門の設計事務所や検査機関を活用しましょう

これまで解説した注意点からさらに詳細まで把握しようとすると、なかなか素人では限界があります。確認申請図書があったとしても、違反建築・既存不適格建築というケースもあります。また図面を見て「構造的に耐震性能はどうだろうか」などとも理解するのは困難かと思われます。

本気で購入を検討した段階で、設計事務所や住宅インスペクションを行っている会社等に依頼してしっかりと判断してもらうことをおすすめします。

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