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副業を始めたマリオに大事なことは(2ページ目)

任天堂は2014年1月30日に行われた経営方針説明会及び第3四半期決算説明会 で、IP資産を積極的に活用していくと宣言しました。これはつまり、ライセンス事業を強化するということです。これによってマリオはベンツにパズドラと、コラボの連続で大忙しです。このライセンス事業拡大路線、成功のカギはどこにあるのでしょうか?

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

副業で大きな仕事を獲得するマリオの不安

ゼルダ無双の図

真・三國無双シリーズに登場した「ゼルダ無双」も話題に

ベンツやパズドラなど、ライセンス事業を強化すると宣言するやいなや、次々と大きな仕事を実現してみせるのは流石といったところでしょうか。やはりビデオゲームの歴史の中で培ってきたマリオ達の認知度、そして人気は健在です。

おそらく今後も、多くの企業とのタイアップが進められ、これまで以上に、任天堂のキャラクター達を目にする機会も増えていくことでしょう。しかしその時に気を付けなければいけないことがあります。そもそも任天堂自身が危惧していた、キャラクター価値の毀損、消費についてです。

特に、これまで非常に消極的であったデジタル部門でのコラボ。「PUZZLE & DRAGONS SUPER MARIO BROS. EDITION」や、2014年8月にコーエーテクモゲームスから発売されたWii U用タイトル「ゼルダ無双」のように、他社のゲームに登場していくとなると、任天堂の持つキャラクターが何をもってして価値づけされているかという、根本について改めて考える必要がでてきます。

ゲームが面白いからマリオに人気が出る

Newスーパーマリオブラザーズの図

ゲームが面白いからこそ、そこにいるマリオに人気がでます

そもそも、なぜマリオ達は人気があるのでしょうか。任天堂のことを良く知らない人は、任天堂のゲームはマリオを中心とした人気キャラクターによって売れている、と思っている人がいるかもしれません。そう考えるのはとても自然なことです。だからこそ、パズドラや無双シリーズがキャラクターを借りる意味があります。

しかし、実は逆なんですね。冷静に考えてみましょう、マリオはよくよく見れば、可愛い動物でも、かっこいい青年でもなく、おっさんですよ。ちょび髭にオーバーオールのおっさん。もちろんちょび髭にオーバーオールのおっさんが大好きな人もいていいんですが、それって大多数の意見でしょうか。多くの人が「このゲーム、ちょび髭にオーバーオールのおっさんが出てるから遊びたい!」となるんでしょうか。

そうじゃないんですね。そもそもは、マリオがいたから人気が出たのではなく、ゲームが面白かったから、そこに出ているマリオに人気が出たのです。ドンキーコング、マリオブラザーズ、そしてあの偉大なる名作スーパーマリオブラザーズ。

その後も任天堂は、自社の自信あるタイトルを中心にマリオを使っていました。だからこそライセンス事業には必ずしも積極的ではありませんでしたし、マリオというブランドに価値が出たのです。しかし、任天堂はその方針を変更しました。
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