副業で大きな仕事を獲得するマリオの不安
真・三國無双シリーズに登場した「ゼルダ無双」も話題に
おそらく今後も、多くの企業とのタイアップが進められ、これまで以上に、任天堂のキャラクター達を目にする機会も増えていくことでしょう。しかしその時に気を付けなければいけないことがあります。そもそも任天堂自身が危惧していた、キャラクター価値の毀損、消費についてです。
特に、これまで非常に消極的であったデジタル部門でのコラボ。「PUZZLE & DRAGONS SUPER MARIO BROS. EDITION」や、2014年8月にコーエーテクモゲームスから発売されたWii U用タイトル「ゼルダ無双」のように、他社のゲームに登場していくとなると、任天堂の持つキャラクターが何をもってして価値づけされているかという、根本について改めて考える必要がでてきます。
ゲームが面白いからマリオに人気が出る
ゲームが面白いからこそ、そこにいるマリオに人気がでます
しかし、実は逆なんですね。冷静に考えてみましょう、マリオはよくよく見れば、可愛い動物でも、かっこいい青年でもなく、おっさんですよ。ちょび髭にオーバーオールのおっさん。もちろんちょび髭にオーバーオールのおっさんが大好きな人もいていいんですが、それって大多数の意見でしょうか。多くの人が「このゲーム、ちょび髭にオーバーオールのおっさんが出てるから遊びたい!」となるんでしょうか。
そうじゃないんですね。そもそもは、マリオがいたから人気が出たのではなく、ゲームが面白かったから、そこに出ているマリオに人気が出たのです。ドンキーコング、マリオブラザーズ、そしてあの偉大なる名作スーパーマリオブラザーズ。
その後も任天堂は、自社の自信あるタイトルを中心にマリオを使っていました。だからこそライセンス事業には必ずしも積極的ではありませんでしたし、マリオというブランドに価値が出たのです。しかし、任天堂はその方針を変更しました。