どうしてイビキをかくのか?
イビキに悩む女性も、結構います
この気道が狭くなってくると、音が鳴ります。口を大きく開けて息をしても音がしないのに、唇をすぼめて息を吐くと口笛が鳴るのと同じ原理です。仰向けで寝ているときに、舌がのどに落ち込んで気道が狭くなると、この部分で音が鳴ります。これを「狭窄型イビキ」といいます。
また、気道が狭くなったときに、いわゆる「のどちんこ(口蓋垂)」や、上顎の奥の部分である「軟口蓋」が震えることがあります。この時に出る音を、「振動型イビキ」とよびます。
イビキに良し悪しがある?
ベッドパートナーのイビキに、気をつけてあげてください
睡眠時無呼吸症候群は、肥満や老化、舌と顎(あご)の大きさのアンバランス、神経障害などが原因で、眠っているあいだに気道がつまって、呼吸が止まる病気です。この病気を持つ人が、自動車などの運転中に突然、眠り込んで事故を起こし、社会的な問題になったことがあります。
無害な「単純イビキ症」と、ほっておくと危険な「睡眠時無呼吸症候群」のイビキは、何が違うのでしょうか?
良いイビキと悪いイビキの音の違い
単純イビキ症のイビキは、軟口蓋(上アゴの奥の部分)が震えることで起こる振動型イビキです。イビキは規則的に聞こえ、やや低めの音です。一方、睡眠時無呼吸症候群のイビキは、舌のつけ根(舌根)のところで気道が狭くなることで起こる狭窄型イビキに、口蓋垂(のどちんこ)や軟口蓋が震えて鳴る振動型イビキが合わさっています。いびきの音は高く、不規則です。聞いていると次第にイビキが小さくなり、しばらく呼吸が止まった後に、早く大きなイビキをかくのが特徴です。
口の中を見ても分かる?
睡眠時無呼吸症候群には、いろいろな治療法があります
これは、舌自体が後下方にあることを示しています。そのため、筋肉の緊張がなくなった時に、舌がのどに落ち込んで気道がつぶれてしまいます。こういう人は、呼吸が止まりやすい体だといえます。
口の中をのぞいても、情報が得られます。口を大きく開けたときに、口蓋垂(のどちんこ)が先端まで見えるのが正常です。舌が大きいと、口蓋垂が見えにくくなります。単純性イビキ症の人では、ふつう口蓋垂がよく見えます。一方、睡眠時無呼吸症候群の患者さんでは口蓋垂が部分的に隠れるか、見えなくなっていることがよくあります。
睡眠時無呼吸症候群の診断には、終夜睡眠ポリグラフ検査が欠かせません。心配がある方は、睡眠障害の専門医に相談してみてください。
ただのイビキも健康的とは言えない
朝、さわやかに目覚められない人は、睡眠に何らかの問題があります
単純性イビキ症と睡眠時無呼吸症候群のあいだに、「上気道抵抗症候群」という状態があります。これは、睡眠時無呼吸症候群ほどひどくはありませんが、イビキがあり、軽い無呼吸や低呼吸が起こっている状態です。
睡眠時無呼吸症候群ほどではないにしても、上気道抵抗症候群でも呼吸が止まったときに覚醒反応が起こります。そのため、熟睡感が減ったり、日中に眠気が強くなったりします。上気道抵抗症候群では、マウスピースが効果を発揮します。専用のマウスピースは、ネットショップでも買えますし、歯科医さんで作ることもできます。
【関連サイト】
「いびき」
「睡眠時無呼吸症候群」
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