お金の使い道は消費することだけではない

『貧困女子からの脱出は10年後の自分を思い描くことから』では、自分の見聞を広げることが貧困からの脱出の第一歩と書きました。過度な節約をやめて外にでるべきだと。それが収入UPの道へと通じると思うからです。しかし、この記事では逆説的にはなりますが、それでも限りある収入からなんとか貯蓄と投資をしてほしい、ということを書かなければなりません。

まず、厳しいことですが、たとえば月収10万円未満だという人は、家賃に大半が消え、残りのお金で生活していくのは、非常に困難なことでしょう。実家があるのなら、実家に戻り、家賃負担を減らす、生活費負担を減らすことも考えたほうがいいかもしれません。まずは、生活基盤を再度整えるところからリスタートするのがベターのように思います。

消費支出は、男性が昨年から増加、女性は減少

月収10万円とまではいかなくとも、若年層の年収は300万円未満が多数を占めます。そんな若年層のお金の使い道はどうなっているのでしょう。

総務省の「家計調査」から家計収支をまとめました。

世帯人数別家計支出(月額平均)

世帯人数別家計支出(月額平均)


35歳未満の単身世帯の平均消費支出は、1カ月15万5717円。男女別では、男性が女性より若干多い結果となっています。2016年データと比較すると、全体では約3000円の微増で、男性が約7000円増加なのに対して、女性が約4000円の削減となっています。

2015年から2016年にかけては、1万円以上の削減と節約志向がみられましたが、今回はそれほど大きな違いはありませんでした。

細かな消費支出においては、男性は食料、交通・通信費の割合が高く、女性では住居、食料、交際費などのその他支出の割合が高くなっており、この傾向に大きな変化はありません。

前年、前々年と節約傾向が強く、これ以上の節約はムリという段階まできているのかもしれません。

男女の収入差ほど、支出額に違いはない

収入は昨年から男性が約1万5000円増加、女性も約2万円増加しています。それでも、男女で約2万8000円の差があります。しかし、社会保険料や税金などの非消費支出と消費支出の合計は、男女で約8000円の違いにとどまります。

景気回復は、女性の消費行動がけん引するなどと言われますが、収入が増加しても、節約志向は変わらず、消費を抑える傾向にあり、理美容費、被服費など、工夫してファッションを楽しんでいるのかもしれません。

気になるのは、教養娯楽費が、男性で昨年から2000円ほど増加しているのに、女性は5000円の削減。日々の生活の楽しみや資格取得など教養を身に付けることまでも節約していること。今、将来のステップアップ、キャリアップのためにお金を惜しんでいると、取り返しのつかないことになります。

なかなか思うように収入が上がらないため、できる限りの節約は無理もありませんが、お金の使い道はメリハリをつけて、考える必要があるのではないでしょうか。

数字上、家計は黒字でも、貯蓄を取り崩しては意味がない

単純な家計収支では、男女とも黒字。男性は約11万円。女性も9万円と頑張っています。これだけ貯蓄に回せていれば、貧困女子、ということはありませんが、あくまでも平均なので、収支が赤字の人もいるでしょう。

黒字で毎月貯蓄ができているとしても、生活が苦しくなると貯蓄を取り崩す、ボーナスは赤字の補てんに回る、という人も少なくありません。実際、貯蓄ゼロは、シングル全体で46.4%(20代61.0%、30代40.4%)というデータもあります(金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査』2017年)。

赤字の補てんのために貯蓄を取り崩すことは、貧困からの脱出を妨げる大きな要因になっています。貧困は収入が少ないことだけが問題なのではなく、お金の使い方にも問題があります。

自分はムダ遣いをしていない、と言う人もいるでしょう。しかしお金の使い方とは、消費することだけを指しているのではありません。お金の生かし方と言い換えることができるでしょう。

「使う」「貯める」「増やす」の3つで、お金のスキルアップを

お金の使い方が上手な人は、なにも節約が上手ということではありません。お金は、「使う」ことのほか「貯める」「増やす」ことができる生活のツールです。「使う」ことだけにこだわり、節約に走るのは決してお金の使い方が上手とは言えません。「貯める」、「増やす」、この2つもできてこそ、お金の使い方が上手だと言えます。

「貯める」ことには誰しも少なからず興味はあるでしょうが、「増やす」ことに興味がない人は、お金そのものに対する興味関心が薄いのです。実は、このお金に対する執着心の弱さが収入アップへの道を閉ざしている遠因ともなっています。

収入が少ない、お金がなかなか貯まらない人へのアドバイスとしては、毎月少額でもいいから「積立貯蓄」をするというのが鉄則です。しかし、「増やす」ことにも興味がなければ、貧困女子からの脱出は遠ざかってしまいます。マネー行動を変えられない人は、現状の生活を実は変えたくない、と思っているからです。

でも、考えてみてください。収入はすぐには上がらない、コツコツ積立貯蓄をしても、いつ100万円に到達できるかわからない、そんな状況がずっと続いていくとしたら、お金に対しての興味関心も高まるわけがありません。現状の生活が続いていくだけです。もし、何か変えたいという想いがあるのなら、お金のもう一つの役割である「増やす」ことも考えてみるべきです。

増やすこと=投資をすることですが、投資にはもちろんリスクがあります。そのリスクも投資する内容によって高かったり、低かったりします。生活をしていく上で、リスクがない生活はありません。ただ、あえてリスクのある行動をとるのか、少々失敗したとしても経験値が上がることを望むのかで、生活のスタイルは変わってきます。

投資も同じで、ゼロか100かの選択しかないと極端に考える必要はありません。ゼロか100かは投資ではなくギャンブルです。少しのリスクはあるかもしれないけれど、利益を得るためならチャレンジする、という選択ができるかがキモなのです。

貯蓄30万円あるなら、毎月5000円でも投資を

貯蓄もままならない人に投資を勧めるなんて非常識。と思うかもしれません。でもあえて言います。貧困から脱出したいなら投資をしなさいと。

お金がなかなか貯まらない女性はどうする?

お金がなかなか貯まらない女性はどうする?


いきなり、リスクの高い投資をしなさいと言うのではありません。投資元本は預貯金のような保証はありません。必ずしもトクするとは限りません。投資に絶対はありません。でも、人はソンしたくないと考えるものです。そうであれば、どんな投資商品があり、どんなリスクがあるのか、どうしたらソンしないでトクすることができるのかを勉強する必要があります。これが重要なのです。

毎月1000円でも5000円でも投資できる商品があり(毎月100円からOK!最新・投資信託の積み立てとは)、リスクも比較的低いものがあります。毎月1000円投資をするにしても、どのくらい増やしたいのか、どの程度減っても我慢できるのか、そんなことを考えるだけで、自分のお金に対するスタンスを見つけることができるでしょう。これまで1000円の使い道で、トクすることソンすることを考えたことはなかったかもしれません。しかし投資を始めれば、おのずと1000円の使い道を自分で考える必要がでてくるのです。

まずは30万円。2~3カ月は生活できる額を貯める

ただし、今、本当に貯蓄がゼロの人は、とにかく30万円を目標にお金を貯めてください。30万円あれば万一病気やけがをしても2~3カ月生活を乗り切ることができるでしょう。30万円あれば、安い家賃のところに引っ越すこともできます。30万円あれば、資格取得の費用にあてることもでき、キャリアアップの第一歩が踏み出せます。まずは30万円を目標に頑張ってください。

そして30万円貯まったら、毎月の貯蓄のうち半分は、増やすお金として投資に回してください。もちろん30万円貯まるまでの期間は、投資に関する勉強にあてる期間でもあります。毎月1万円を貯蓄するのであれば、5000円はこれまでどおりに積立貯蓄を継続し、残り5000円は積立でできる投資商品がいいでしょう。どんな投資商品を選べばいいのか、考える時間はたくさんあります。

まずは、マネー行動を起こすこと。これまでの生活を変えたいなら、投資に興味を持つこと。これが貧困女子から脱出するための処方箋です。

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