お金の使い道は消費することだけではない

前回UPした記事『貧困女子からの脱出は10年後の自分を思い描くことから』では、自分の見聞を広げることが貧困からの脱出の第一歩と書きました。過度な節約をやめて外にでるべきだと。それが収入UPの道へと通じると思うからです。しかし、今回は、逆説的にはなりますが、それでも限りある収入からなんとか貯蓄と投資をしてほしい、ということを書かなければなりません。

まず、厳しいことですが、たとえば月収10万円未満だという人は、家賃に大半が消え、残りのお金で生活していくのは、非常に困難なことでしょう。実家があるのなら、実家に戻り、家賃負担を減らす、生活費負担を減らすことも考えたほうがいいかもしれません。まずは、生活基盤を再度整えるところからリスタートするのがベターのように思います。


消費支出は男性シングルより、女性シングルが多い

月収10万円とまではいかなくとも、若年層の年収は300万円未満が多数を占めます。そんな若年層のお金の使い道はどうなっているのでしょう。

総務省の家計調査から家計収支をまとめました。

世帯人数別・家計収支(月額平均)

世帯人数別・家計収支(月額平均)


35歳未満の1人世帯の平均消費支出は、1カ月約17万円。男性より女性のほうが消費支出が多い結果となっています。2年前(2013年)のデータと比較すると、男性は約2000円削減ですが女性は約8500円の増加となり、特に被服費は約7000円の増加。男女で消費動向に違いがみられました。一方、住居費は2年前と比べて、全体、男女ともに削減されており、女性は1万円以上の削減額となっています。

社会保険料や税金などの非消費支出では、収入差により、男性のほうが多く、女性とは約1万3000円の開きがあります。しかし、それらを合計した支出合計では、女性のほうが男性を上回っています。残念なことに、収入では男性のほうが3万円ほど高いのですが、支出では女性のほうが多いという結果に、みなさんはどう思われますか?

景気回復は、女性の消費行動がけん引するなどと言われますが、データからも男性のほうが節約志向が強く、女性のほうが気分で消費している傾向にあると言えるかもしれません。もちろん、友人との外食や趣味、娯楽にお金を使うことは間違っていません。しかし、2年前も同じような傾向であり、女性の収入が増えないなか、もう一度、お金の使い道については、考える必要があるのではないでしょうか。

また、家計収支では、単純な差し引きではあるものの、男女とも黒字になっています。これだけ貯蓄に回せていれば貧困ということはないのですが、あくまでも平均の数値ですから、収入も、毎月の黒字額もデータより低い人が多いとは推測できます。毎月いくらか貯蓄ができていたとしても、生活が苦しくなると、貯まったお金を赤字の補てんのために取り崩してしまい、貯蓄残高は、いつも十数万円のまま、という人も少なくないでしょう。実際、貯蓄ゼロは、シングル全体で48.1%(20代59.3%、30代47.3%)というデータもあります(金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査』2016年)。

赤字の補てんのために貯蓄を取り崩すことは、貧困からの脱出を妨げる大きな要因になっています。貧困は収入が少ないことだけが問題なのではなく、お金の使い方にも問題があります。自分はムダ遣いをしていない、と言う人もいるでしょう。しかしお金の使い方とは、消費することだけを指しているのではありません。お金の生かし方と言い換えることができるでしょう。


「使う」「貯める」「増やす」の3つで、お金のスキルアップを

お金の使い方が上手な人は、なにも節約が上手ということではありません。お金は、「使う」ことのほか「貯める」「増やす」ことができる生活のツールです。「使う」ことだけにこだわり、節約に走るのは決してお金の使い方が上手とは言えません。「貯める」、「増やす」、この2つもできてこそ、お金の使い方が上手だと言えます。「貯める」ことには誰しも少なからず興味はあるでしょうが、「増やす」ことに興味がない人は、お金そのものに対する興味関心が薄いのです。実は、このお金に対する執着心の弱さが収入アップへの道を閉ざしている遠因ともなっています。

収入が少ない、お金がなかなか貯まらない人へのアドバイスとしては、毎月少額でもいいから「積立貯蓄」をしなさいというのが鉄則です。しかし、「増やす」ことにも興味がなければ、貧困女子からの脱出は遠ざかってしまいます。マネー行動を変えられない人は、現状の生活を実は変えたくない、と思っているからです。

でも、考えてみてください。収入はすぐには上がらない、コツコツ積立貯蓄をしても、いつ100万円に到達できるかわからない、そんな状況がずっと続いていくとしたら、お金に対しての興味関心も高まるわけがありません。現状の生活が続いていくだけです。もし、何か変えたいという想いがあるのなら、お金のもう一つの役割である「増やす」ことも考えてみるべきです。

増やすこと=投資をすることですが、投資にはもちろんリスクがあります。そのリスクも投資する内容によって高かったり、低かったりします。生活をしていく上で、リスクがない生活はありません。ただ、あえて危険を承知でリスクの高い行動をとるのか、少々失敗したとしても、経験値が上がることを望むのかで、生活のスタイルは変わってきます。投資も同じで、ゼロか100かの選択しかないと極端に考える必要はありません。ゼロか100かは投資ではなくギャンブルです。少しのリスクはあるかもしれないけれど、利益を得るためならチャレンジする、という選択ができるかがキモなのです。


貯蓄30万円あるなら、毎月5000円でも投資を

貧困女子からの脱出法

貧困女子からの脱出法

貯蓄もままならない人に投資を勧めるなんて非常識。と思うかもしれません。でもあえて言います。貧困から脱出したいなら投資をしなさいと。

いきなり、リスクの高い投資をしなさいと言うのではありません。投資元本は預貯金のような保証はありません。必ずしもトクするとは限りません。投資に絶対はありません。でも、人はソンしたくないと考えるものです。そうであれば、どんな投資商品があり、どんなリスクがあるのか、どうしたらソンしないでトクすることができるのかを勉強する必要があります。これが重要なのです。

毎月1000円でも5000円でも投資できる商品があり、リスクも比較的低いものがあります。毎月1000円投資をするにしても、どのくらい増やしたいのか、どの程度減っても我慢できるのか、そんなことを考えるだけで、自分のお金に対するスタンスを見つけることができるでしょう。これまで1000円の使い道で、トクすることソンすることを考えたことはなかったかもしれません。しかし投資を始めれば、おのずと1000円の使い道を自分で考える必要がでてくるのです。

ただし、今、本当に貯蓄がゼロの人は、とにかく30万円を目標にお金を貯めてください。30万円あれば万一病気やけがをしても2~3カ月生活を乗り切ることができるでしょう。30万円あれば、安い家賃のところに引っ越すこともできます。30万円あれば、資格取得の費用にあてることもでき、キャリアアップの第一歩が踏み出せます。まずは30万円を目標に頑張ってください。

そして30万円貯まったら、毎月の貯蓄のうち半分は、増やすお金として投資に回してください。もちろん30万円貯まるまでの期間は、投資に関する勉強にあてる期間でもあります。毎月1万円貯蓄であれば、5000円はこれまでどおりに積立貯蓄を継続し、残り5000円は積立でできる投資商品がいいでしょう。どんな投資商品を選べばいいのか、考える時間はたくさんあります。


まずは、マネー行動を起こすこと。これまでの生活を変えたいなら、投資に興味を持つこと。これが貧困女子から脱出するための処方箋です。


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